プラスチックをエネルギーに
2022-01-26 14:00:10
省エネルギーの新たな潮流、プラスチックからエネルギーの取得へ
省エネルギーの新たな潮流、プラスチックからエネルギーの取得へ
北海道のエルコムが開発したe-PEPシステムが注目されています。このシステムは、企業から出る使用済みプラスチックを廃棄するのではなく、その場で資源に変え、新しいエネルギーとして利用する画期的なリサイクルモデルです。従来の方法に依存せずに、地域内や自社内でエネルギーを有効活用することで、CO2排出削減に寄与するだけでなく、プラスチック資源循環促進にも大きな役割を果たします。
e-PEPシステムの背景と概要
使われなくなったプラスチックは、実は灯油や重油とほぼ同等の発熱量を持っています。資源が乏しい日本において、これをエネルギー源として活用することは極めて重要です。エルコムは2017年にこのe-PEPシステムをリリースし、地域の民間企業や自治体での導入が進んでいます。
このシステムは、過去に第8回日本ものづくり大賞『地域貢献賞』や、令和2年度北海道省エネルギー・新エネルギー促進大賞の新エネルギー部門で大賞を受賞しています。また、第5回ジャパンSDGsアワードでも特別賞を得るなど、広く評価されています。
クリーンオーシャンプロジェクトの採用
海洋プラスチック問題にも積極的に取り組んでいるe-PEPシステムは、海洋への流出を防ぐだけでなく、海岸に漂着したプラスチックをエネルギーとして再利用するプロジェクトも展開しています。対馬市では、2021年にこのシステムを導入し、年間約3,000袋の漂着プラスチックを燃料化し、地元の温浴施設にエネルギーを供給しています。これにより、海ごみの削減やCO2排出抑制など、地域の環境保全と産業活性化が期待されています。
今後の展望
プラスチックの種類や状態に応じた効率的な運用を進め、より多くの地域でプラスチックからのエネルギー利用を促進していく考えです。これによって地方創生を促し、同時に化石燃料削減にも貢献できる新たなモデルを確立していきます。今回の受賞をきっかけに、全国各地の省エネルギー活動に貢献できるよう、地域の企業や自治体と連携を深めていく方針です。
北国の省エネ・新エネ大賞について
「北国の省エネ・新エネ大賞」は、北海道における省エネルギーと新エネルギーの普及を目的に、模範的な取り組みを行っている組織を表彰するものです。エルコムの受賞は、地元企業の活性化や持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなります。
エルコムは、地球環境や社会のニーズに応えるソリューションを追求し続ける企業です。この取り組みを通じて、次世代のために持続可能な社会を築くことを目指しています。
このようなモデルが今後、地域全体に広がり、プラスチックの有効利用が進むことを期待しています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社エルコム
- 住所
- 札幌市北区北10条西1丁目10番地1 MCビル 4F
- 電話番号
-
011-727-7003