デジタルアイデンティティウォレットを活用した年齢確認実験
2025年4月12日に東京・渋谷で開催される音楽イベント「SYNCHRONICITY’25 MIDNIGHT」にて、株式会社NTT Digital、および複数の協力企業が共同でデジタルアイデンティティウォレットを用いた年齢確認の実証実験を行います。この取り組みは、特にエンターテインメント業界における利用可能性を探るための重要なステップとなります。
実施背景と目的
近年、イベントやコンサートにおいては年齢確認や本人確認が重要視されていますが、従来の方法では入場時に長い待ち時間や身分証の不正確認といった課題があります。そこで、NTT Digitalはデジタルアイデンティティウォレットを活用し、迅速かつ安全に参加者の年齢を確認する手法を確立しようとしています。
この実証実験では、参加者はSYNCHRONICITYの公式アプリを利用してマイナンバーカードを読み取り、自身が成人であることを証明します。これにより、当日はデジタル証明書の二次元コードをスタッフに提示することで、簡単に入場が可能となります。これまでの煩雑さを軽減しつつ、参加者の個人情報を適切に管理できる点が強調されています。
デジタルアイデンティティウォレットとは?
デジタルアイデンティティウォレットは、身分証明書や各種証明書、自分の属性情報をスマートフォン内で安全に管理できるシステムです。ユーザーは、自分のアイデンティティ情報を一元的に管理し、必要に応じて他者に情報を提供することができます。これにより、従来の紙媒体の証明書や個人情報の管理が容易になり、情報のやり取りが迅速かつ安全に行われることが期待されています。
実証実験の具体的な流れ
実証実験は、2025年4月12日(土)の深夜に行われる「SYNCHRONICITY’25 MIDNIGHT」の入場レーンで実施されます。参加者は、事前にアプリでマイナンバーカードを用いて年齢を確認し、その後デジタル証明書がスマートフォンに保存されます。入場時には、このデジタル証明書の二次元コードを会場のスタッフに提示します。スタッフはそのコードを確認することで、確実に成人であるかを検証します。
参加企業の役割
この取り組みには、NTT Digitalをはじめとする以下の企業が参加します:
- - 株式会社NTT Digital:実証実験の企画や全体プロデュースを実施。
- - 株式会社NTTドコモ:デジタルアイデンティティウォレット機能の提供。
- - 株式会社Kulture:実証実験のディレクションを担当。
- - NTTコミュニケーションズ:マイナンバーカードの確認に必要なソフトウェア開発キットを提供。
- - 株式会社Spincoaster:公式アプリの開発を担当し、デジタルアイデンティティウォレットへの導線を実装。
今後の展望
今後、NTT Digitalはこの実証実験を基に、さまざまな分野におけるデジタルアイデンティティウォレットの活用を進めていく予定です。例えば、テーマパークのオンラインチケット販売において年齢や属性の確認を基にしたきめ細やかな料金設定を行うことが検討されています。また、音楽イベントやスポーツのチケット販売でも、不正転売対策としてデジタルアイデンティティを駆使した取り組みが予定されています。
このように、デジタルアイデンティティウォレットはエンターテインメントから日常生活に至るまで、新しい展開が期待されています。これにより、より安全で快適なイベント体験が提供されることでしょう。