エプソン、車載ディスプレイの新たな進化を遂げる液晶ドライバIC『S1D15107』を量産開始

エプソン、新型車載ディスプレイ向け液晶ドライバICを量産開始

セイコーエプソン株式会社（エプソン）は、車載ディスプレイ向けの新しいセグメント液晶ドライバIC『S1D15107』の量産を開始しました。この製品は、自動車や二輪車でのディスプレイ表示に革命をもたらすものです。

自動車と二輪車のディスプレイの進化

近年、自動車及び自動二輪車は高機能化が進んでおり、表示する情報も増大しています。それに伴い、液晶ディスプレイの導入が加速していますが、大型化・高精細化によるコスト増大が問題視されています。特に二輪車では、ディスプレイの大型化に物理的な制約があり、高い視認性が求められるため、その要件は一層厳格です。

新たなドライバIC『S1D15107』の特長

新しい『S1D15107』は、前モデル「S1D15106」のセグメント出力数を368から688に増加させ、多くの情報を一つのチップで表示可能にしました。これにより、複数のセグメント液晶ドライバICを組み合わせる必要がなくなり、システム構築が容易になります。

さらに、COM端子を多数配置することで、従来困難だったパネル上部基板と下面基板への配線振り分けが可能となり、配線作業の簡素化に寄与します。またこのICには、異常検出機能も備わっており、表示の安全性を確保しています。動作温度は最高105℃まで対応し、AEC-Q100規格にも準拠しているため、信頼性の高い車載システムの構築をサポートします。

高コントラストと視認性の向上

『S1D15107』は、ホストと直接接続が可能という特長があります。これにより、外付けメモリなしでホストからの画像データをセグメント液晶に表示できます。スタティック駆動技術により高コントラストを実現し、PWM方式を用いることで16階調のセグメント表示が可能です。特にスピードメーターや回転数表示において、視認性と表現力の向上を達成します。