都市ガス3社、地震時相互支援訓練で連携強化
東京ガスネットワーク株式会社、大阪ガスネットワーク株式会社、東邦ガスネットワーク株式会社の3社は、地震発生時の相互支援体制強化を目的とした合同訓練を大阪ガスネットワーク株式会社の施設にて実施しました。約180名の従業員が参加し、災害発生後の迅速な復旧を目指した実践的な訓練が行われました。
これは、3社が2022年4月に締結した連携協定に基づく取り組みの一環です。訓練では、他社からの応援受け入れ体制の確認、復旧作業計画の策定、そして復旧作業に必要な技術向上のための教育・実技訓練などが実施されました。
訓練内容の詳細
訓練は大きく5つの項目から構成されました。まず、各社の役割や作業手順などを確認する「他ガス事業者の応援受け入れに関する必要情報・フローの相互確認訓練」では、マニュアルを用いて綿密な情報共有が行われました。
次に、「復旧実施計画、開閉栓計画の策定」では、システム操作訓練と合わせて、復旧体制や人員計画、そしてガス供給再開のための計画策定が行われました。
技術力の向上を目的とした「配管接合、ガバナ操作等の教育・実技」では、実際に配管の接合やガバナ(ガス圧力を制御する設備)の操作方法を学びました。ガバナ操作は、安全なガス供給に不可欠な技術です。
さらに「各社のガスメーター復帰作業・開閉栓作業等の教育・実技」では、各社で仕様が異なるガスメーターの復旧作業を訓練しました。これは、迅速かつ正確な復旧作業に不可欠な訓練です。
そして、最後の訓練項目である「移動式ガス発生設備による臨時供給の教育・組立実技」では、災害時における都市ガス供給の代替手段として、プロパンガスと空気を混合させたプロパンエアーガスを用いた臨時供給設備の組立と操作方法を習得しました。重要施設への緊急供給において重要な役割を果たします。
都市ガスの安定供給に向けた取り組み
今回の合同訓練は、地震などの災害発生時における都市ガスの安定供給確保に向けた重要な一歩となります。3社は今後も連携を強化し、保安対応力の向上、技能の伝承を継続的に行い、都市住民への安全・安心なガス供給に貢献していくことを目指しています。
訓練の様子からは、3社の強い連携と、都市ガスの安定供給に対する高い意識が伝わってきました。今後、さらなる連携強化と技術向上によって、より安全で信頼性の高い都市ガス供給体制が構築されることが期待されます。
地震対策においては、設備の耐震化、供給停止の安全確保、そして迅速な復旧体制の構築が重要です。今回の訓練は、まさにこれらの対策を統合的に実践するものであり、都市ガスの安定供給に大きく貢献する取り組みと言えるでしょう。