2025年に発生したコンプライアンス違反倒産の件数は278件で、前年の391件から113件、つまり28.9%の減少となりました。この減少は4年ぶりのことであり、企業の財務状態が改善されたことが主な要因と考えられます。ただし、この結果に安堵するべきではない背景も見え隠れしています。
コンプライアンス違反倒産とは、意図的な法令違反や倫理に反する行為が原因で発生した倒産のことを指します。特に、「粉飾」(74件)が最も多く発生しており、前年比で23.7%減少しました。また、「業法違反」や「資金使途不正」などの違反では、3割を超える大幅な減少がみられました。
実際、近年は新型コロナの影響で金融機関が倒産回避のための支援に注力していたことも影響し、コンプライアンス問題が表面化しづらい状況が続いていました。しかし、コロナ収束後、資金繰りに悩む企業が再度金融機関と話し合う過程で、過去のコンプライアンス違反が発覚しています。要するに、コンプライアンス違反が隠れていた可能性が高いのです。
業種別では、サービス業が最も多く91件(前年比26.0%減)、次いで卸売業(50件、同2.0%増)、建設業(49件、同29.0%減)となっています。一方で、負債額の大きいコンプライアンス違反倒産は依然として目立っており、2025年には負債額上位20社の約半分がコンプライアンス違反であったことからも、根強い問題であることがわかります。
特に、粉飾事例として名古屋市のロイヤルは、負債額83億3000万円とし、複数年にわたる不正な会計処理が発覚しました。また、製菓・製パン材料卸のサクライも73億円の負債を持ちながら、10年以上にわたる粉飾が明るみに出ました。
2025年の倒産における負債額の高い倒産事例には、ドローンネット(負債1444億9483万円)やオルツが含まれます。特にオルツは収入の最大9割が循環取引による過大計上だったことが発覚しており、こうした巧妙な手法は外部からは見抜くことが難しいため、企業側のコンプライアンス意識の強化が求められています。
今後も、企業の規模にかかわらず、定期的かつ細やかなモニタリングによる与信管理が一層重要になります。企業が持続的に成長するためにも、透明性の高い経営が求められる時代となっています。コンプライアンス違反が減少したとはいえ、依然として警戒が必要な状況であることを改めて認識する必要があるでしょう。