日本版キンドリル・レディネス・レポート2025の概要
キンドリルジャパン株式会社は、最新の「日本版キンドリル・レディネス・レポート2025」を発表しました。このレポートでは、日本市場におけるIT準備の現状がグローバルな結果と比較され、特に注目すべき5つの重要領域について分析が行われています。
1. IT基盤の堅牢性
調査結果によると、日本のITインフラの準備度は相対的に低いことが分かりました。「十分に整っている」と答えた企業は31%に過ぎず、これはグローバル平均の40%やEU、米国の40%を大きく下回ります。日本企業はリスク軽減策において「サイバーセキュリティ強化」や「インフラのアップグレード」よりも、内部統制やガバナンスの強化に重きを置いていることが明らかになっています。
2. クラウドとデータ戦略の急務
日本企業は、計画なしにクラウド環境を構築している傾向が高いと指摘されています。特に、「想定以上のコストが発生した」との回答が多く、データガバナンスの重要性が高まる中で、地政学的リスクも強く意識されています。実に97%の企業が地政学的プレッシャーに対して何らかの対策を行っているとのことです。
3. 従業員の再編成と文化の適応能力
AI技術の進展にもかかわらず、日本企業はその導入に対する組織的な準備が遅れていることも浮き彫りになりました。他市場と比較して、今後12カ月でAIの役割が完全に変わると認識している企業は少なく、適応力の高い企業ほど良好な成果を上げています。しかし、日本企業のうち「柔軟な組織文化」が根付いていると答えたのは29%で、これは相対的に低い数値です。
4. AIのパイロット実施の停滞
AIに関する調査では、検証段階にあるとの回答が68%と非常に高く、本格的な活用への移行が遅れていることが明らかとなりました。AIの導入には規制やコンプライアンスに対応した上で、明確なユースケースを設定することが求められます。
5. 技術進化とROIの見直し
日本企業は、クラウド戦略を見直したいという意向が高く見られ、96%の企業がその意向を持っていると答えています。SECURITYとコンプライアンス、人材投資を重視する企業が多いことが示されています。また、顧客満足度の向上をROIの指標とする企業が多いことも、日本企業特有の特徴です。
調査手法と背景
このレポートは、21カ国・24業界から集めた3,700名のビジネスやテクノロジーリーダーの調査データに基づいています。特に日本版は、国内外の計300名およびEUの1,400名から得た結果を分析し、日本市場の独自性を浮き立たせています。
キンドリルジャパンは、日本を含む60カ国以上で企業向けにテクノロジーサービスを提供しており、複雑な情報システムの設計から管理まで幅広く実施しています。今回のレポートは、IT戦略の見直しやクラウド移行に関心を持つ企業にとって、貴重な指針となるでしょう。