雪中貯蔵酒の魅力
北海道の厳しい冬、雪が降り積もる美瑛町で生まれる特別な日本酒、その名も「雪中貯蔵酒」。この酒は、1997年に始まった独特の熟成方法を用いており、自然の力を最大限に活かす取り組みとして注目を集めています。雪国ならではのこの技法について詳しく見ていきましょう。
雪中貯蔵酒とは?
雪中貯蔵酒は、通常の低温貯蔵庫や氷温庫とは異なり、搾りたての新酒を丘陵地に運び、雪で覆いながら約100日間熟成を行います。この方法によって、酒の温度が-2℃前後に保たれ、温度変化による空気の移動も抑制されます。その結果、酒質がまろやかに仕上がるのです。
雪囲い作業
この酒造りの一環として、雪囲い作業が行われます。例えば、2020年12月26日には、7㎘のタンク2本の周りに雪を集める作業が行われました。約10人の蔵人が手作業で雪を積み上げ、5時間かけて雪囲いを完成させました。こうした人々の手による作業が、雪中貯蔵酒の品質の向上に寄与しています。
掘り出し作業
2021年3月25日、雪の中で熟成が進んだお酒が掘り出され、高砂酒造に運び込まれました。ここでは、火入れ、瓶詰めといった製品化作業が行われ、いよいよ販売準備が整います。
雪中貯蔵がもたらす酒質の変化
雪の中で熟成された日本酒は、その酒質が非常に安定しています。外気と直接触れないため、全体の温度が一定に保たれることから、酵母の活動も緩やかです。これにより、酒の荒々しさが落ち着き、豊かなまろやかさを持った味わいに変化します。また、自然の中での熟成であるため、エコな取り組みとも評価されています。
商品詳細:純米酒「大雪 雪中貯蔵」
- - 発売日: 2021年4月23日(夏季限定)
- - アルコール度数: 14度以上15度未満
- - 使用米: 北海道産酒造好適米「彗星」60%精米
- - 価格: 720ml 1,250円(税別)
- - 味わい: 口当たりがまろやかで、うまみが感じられるすっきりとした飲み口が特徴です。冷酒として5℃前後に冷やして、ホッケや豚の角煮とともに楽しむのがおすすめです。
商品詳細:純米吟醸酒「大雪 雪中貯蔵」
- - 発売日: 2021年4月以降、順次販売
- - アルコール度数: 15度以上16度未満
- - 使用米: 北海道産酒造好適米「吟風」55%精米
- - 価格: 720ml 1,800円(税別)
- - 味わい: 華やかな吟醸香が楽しめ、米の柔らかな旨味とともにまろやかな味が広がります。同じく冷酒として冷やし、淡白な魚(タイやソイ)のお刺身と一緒にいただくと、より一層その魅力を引き立てるでしょう。
高砂酒造株式会社の紹介
高砂酒造は北海道旭川市に位置し、1899年に創業されました。代表取締役社長は石倉直幸氏、杜氏には森本良久氏が名を連ねています。詳しい情報や日本酒の購入は、
公式サイトをご覧ください。
このように、雪中貯蔵酒は北海道ならではの自然環境を活かした独自の日本酒であり、その味わいや醸造過程は一度は体験する価値があります。ぜひこの冬、雪中貯蔵酒の魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。