ボランティア文化の醸成に向けた調査報告書完成
最近、「ピョンチャンオリンピック・パラリンピック」に関するボランティアの調査報告書が発表されました。この報告書は、ボランティア募集の流れから選考方法、そして募集結果まで、多角的に詳細をまとめたものです。ここでは、その中から特に注目すべき2つのポイントをご紹介します。
職種別の応募状況が浮き彫りに
まず、全体の応募総数は募集人数を大きく上回りましたが、職種別に見ると応募率に顕著な差が存在しました。特に、17職種の中で「通訳」の職種が最も高い応募率を記録した一方で、「交通案内」の職種は最も低い結果となりました。このデータから、特定の職種に対する興味やニーズの違いが明らかになりました。
若年層の応募が多数を占める
次に、ボランティア参与者の年齢層についても注目が集まります。参加した10代から20代の若者が全体の80%以上を占め、多くは大学生でした。この春学期と重なるパラリンピック活動の期間に対して、組織委員会と教育省が連携し、各大学に授業日の認定などを要請。他にも、ボランティア活動を通じて就職説明会が開催されるなど、学生にとってのボランティア参加を促進する取り組みが行われました。
東京大会への教訓
今回の調査を通じて得られた示唆として、以下の4つのポイントが挙げられています。
1. ボランティア・ネーミングの活用
2. ボランティア教育研修の重要性
3. ボランティア環境の整備
4. ボランティア・サポート
特に4番目の「ボランティア・サポート」に関して、ボランティア自身が必要とする支援を認識し、トラブル発生時のストレス軽減や心のケアを含むサポート体制の整備が求められると締めくくられています。このようなサポートが整うことで、ボランティア活動がより充実したものとなり、当日の運営もスムーズに進むでしょう。
ボラサポの役割
一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンター、通称ボラサポは、2017年に東京2020組織委員会と日本財団が締結した協定に基づき設立されました。この団体は、ボランティアの育成を通じて、東京2020大会の成功を目指しています。
ボラサポは、スポーツボランティアや障害者スポーツに関する専門的な知識やネットワーク、経験を集約し、大会運営を効率良くサポートするために活動しています。また、11万人以上のボランティアが気運を高め、彼らが大会終了後もボランティア活動に参加できる環境を整えていくことも重要な目標です。
ボランティア文化の醸成を
ボランティア活動を通じて、人と人とのつながりから喜びや充実感を感じることが期待されます。これらの活動が日常的に行われるようになれば、持続可能なボランティア文化が確立され、より多様な世代や立場の人々が参加できる環境が整うでしょう。
東京大会に向けて、ボランティアの重要性を再認識し、より良いサポート体制や環境を整える努力が求められています。ボラサポは、その使命を果たしながら、次なるステップへ向かって進んでいくことでしょう。
参考資料