2023年9月15日、タイのバンコクで開催されたイベント「ガステック2026」において、商船三井、川崎汽船、日本郵船、今治造船、ジャパンマリンユナイテッド、三菱造船、そして株式会社 MILESの6社による低圧液化CO₂輸送船(LCO₂)の基本設計承認(AiP)が取得されました。この承認は、今後の国内CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトにおいて、回収したCO₂を効率的に貯留地に輸送する新たな手段を提供します。
低圧仕様の42,000m³クラスのLCO₂輸送船の設計は、リスクアセスメントを通じて行われました。特に、業界各社が持つ低温液化ガス輸送の知見を適用し、LCO₂特有のリスクを見極めました。このプロセスでは、Hazard Identification Study(HAZID)を利用し、安全性を考慮した設計方針を確立し、これを基にAiPが授与されたのです。
この標準設計スキームの実施により、国内でのLCO₂輸送船の安定的な建造を可能にし、より効率的な供給体制を整えることが期待されています。商船三井グループは、「BLUE ACTION 2035」を掲げる中で、低炭素事業の拡大に注力しています。その一環として、国際間の大規模液化CO₂の輸送に向けて特に注目されています。
商船三井が手掛けたこのLCO₂輸送船は、2028年に世界初のフルスケールCCSプロジェクト「Northern Lights Project」におけるCO₂の長期輸送契約を締結しています。このことからも、今後の環境戦略としての重要性が伺え、脱炭素社会の実現に向けた新しい一歩となるでしょう。
将来的には、CCS事業が進展するにつれて、LCO₂輸送船の需要が増加することが見込まれています。そのため、参加企業は標準化を進め、設計・建造の効率化を図ることで、持続可能な社会を目指していきます。
低圧液化CO₂輸送船の基本設計承認取得は、環境保護と持続可能なエネルギー運用の新たな可能性を示す重要なマイルストーンとなります。今後も環境ビジョンの実践を通じて、CO₂バリューチェーンの構築に貢献し、持続可能な未来を形成していく姿勢が求められています。