レゾナック、次世代エレクトロニクス材料SiC単結晶基板の300mm化に成功
株式会社レゾナックは、次世代エレクトロニクス材料の炭化ケイ素(SiC)について、直径300mm(12インチ)のSiC単結晶基板の成長と加工に成功したことを発表しました。これはSiC基板の大口径化と高品質化に向けた重要な技術的なマイルストーンです。
この300mmというサイズは、現在開発が進んでいるSiC基板の中で世界最大級のものであり、特にパワー半導体の分野で高いエネルギー効率を実現するために重要な役割を果たします。従来のシリコンウェハーに比べ、SiCは電力変換時の損失や発熱を抑えられるため、特に電気自動車(EV)や再生可能エネルギー分野での需要が急速に増加しています。
また、データセンター向けの高効率化が求められる分野でも、SiCはその特性から利用が進んでいます。株式会社レゾナックは、150mm(6インチ)のSiCエピウェハーを主に供給しており、すでに200mm(8インチ)SiCエピウェハーの出荷も始まっています。このように市場の要請に応じて、技術革新を進めているといえます。
さらに、単結晶SiC材料はその高い熱伝導率から、AIサーバーや高性能コンピューティング(HPC)向けの半導体放熱基板や先端パッケージ基板への応用にも期待されています。加えて、屈折率の高さという特性から、ARスマートグラスなどの新しい技術にも対応できる可能性があります。
レゾナックは長年のSiC単結晶成長技術と基板加工技術を活かし、グリーンイノベーション基金事業の枠組みの中で、SiC基板の大口径化と高品質化の進展を続けています。これにより、持続可能な社会の実現に向けたパワーエレクトロニクス市場の進化に寄与するとともに、「ベスト・イン・クラス」を視野に入れたさらなる技術革新を追求していく方針です。
最後に、レゾナックは2023年1月に昭和電工と旧日立化成が統合して誕生した企業であり、半導体、電子材料、モビリティ、イノベーション、ケミカルといった多様な分野で事業を展開しています。その社名は「共鳴する」という意味を持ち、企業としての持続的成長と価値向上を目指しています。2030年度の見通しでは売上高が約1兆3千億円に達すると見込まれており、海外市場でも57%を占めるなど、グローバルに事業を拡大しています。
今後もレゾナックの動向から目が離せません。新しいSiC基板技術がもたらすインパクトを、さまざまな分野で確認できる日が楽しみです。