地域素材を生かした新たなジンブランド、「YORI」の誕生
近年、持続可能な未来を目指す動きが高まる中、地域素材を利用した革新的なジンブランド「YORI」が発表されました。このプロジェクトは、国税庁が主催するビジネスコンテストで優秀賞に輝き、地域課題に対する斬新な解決策として注目を浴びています。
YORIのコンセプト
「YORI」は、地域の特産物を用いて新しい価値を生むことを目的としたサステナブルジンです。「地域のおいしさに、新しい息吹を。」というスローガンのもと、利用されていない素材を生まれ変わらせることを目指しています。このブランドルールに従って、地域経済の循環を促す製品作りが進められています。
ブランドの背景と社会的意義
このブランドを展開する株式会社Connec.tは、「地域経営でふるさとを作る、増やす。」をビジョンに設立されました。2021年以降、同社は地方自治体や地域の生産者と協力し、観光促進や特産品のブランド化に取り組んできました。現代の日本でも、食糧廃棄や地域の魅力不足が問題視されています。特に、規格外の野菜や果物が市場に出回らずに廃棄される現状は深刻です。「YORI」は、そうした問題に対して、地域の素材を使った新たな酒類の形でアプローチします。
フィールドワークを通じて、地域の人々との対話を重ねた結果、特産品の利用促進が必要であることを痛感した同社。そこで、国税庁主催のビジネスコンテストで「フードロス」と「特産品の欠如」という具体的な課題に向き合うべく、「YORI」の開発に至りました。これにより、食材のアップサイクルが進み、地域経済にも貢献できるという点が評価され、優秀賞を獲得することができたのです。さらに、フロンティア補助金にも選定されるなど、その意義を証明しています。
YORIの社会課題へのアプローチ
現在、世界中で飢餓問題が深刻な状況にあります。また、日本国内においても、食品ロスは年間612万トンに及び、見切り品などが適切に活用されないケースが多く見受けられます。そのような中で、YORIは新しいプロフィールとしての「酒」を地域の特性を活かして再定義し、サステナブルな製品を提供することを目指します。
特に、日本の農産物には規格外として流通できないものが多く存在し、その多くが廃棄されています。最近では、規格外品を活用した商品化の動きも活発ですが、YORIはその中で特異な立ち位置を築くブランドとして期待されています。
ブランド展開と今後の計画
YORIの名称には、地域の生産者の思いが撚り合わさり、新しい形でアップサイクルされて全国へ届けられるという願いが込められています。ブランド展開としては、まずは静岡県沼津市の沼津蒸留所で製造を行い、持続可能性を重視した製品開発に努めています。さらに、既存の地域での生産を続けつつ、新たな地域への拡大も目標としています。特に、7月下旬には東京天王洲にて定期的に開催される「キャナフェス」における出展が決定しており、今後の展開が非常に楽しみです。
公式サイトと代表者の思い
「YORI」の詳細は、
公式ウェブサイトから確認できます。代表の小口潤氏は、地域との関わりを持ちながら持続可能なビジネスを推進したいと語っており、今後も地域経済の発展に寄与したいとしています。彼の思いは、
noteにも記されています。
「YORI」は、ただのジンブランドではなく、地域の素材と文化を共に育んでいく存在として、今後の成長が期待されます。