地方財政審議会で議論された「JETプログラム」の現状と課題
地方財政審議会で議論された「JETプログラム」の現状と課題
令和6年6月11日に行われた地方財政審議会では、語学指導等を行う外国青年招致事業「JETプログラム」の現状と課題について活発な議論が交わされました。
JETプログラム終了後の進路やALTの採用基準
審議会では、JETプログラム終了後に日本に残り、地域国際化に貢献する外国青年もいるのか、という点について議論されました。説明者からは、地域おこし協力隊員として地域の魅力発信に貢献するケースも存在することが報告されました。
また、英語が母国語ではない国からのALT招聘についても議論されました。説明者によると、英語を公用語とし、高い英語能力で評価されているフィリピンからもALTを招聘しているとのことです。採用にあたっては、標準的な発音やイントネーションなどを審査し、適切な指導が行えるかなど、厳格な選考が行われているとのことでした。
地方財政措置や報酬水準
自治体が企業との派遣契約でALTを活用する場合、地方財政措置があるのかという質問も出されました。説明者によると、民間企業との派遣契約によるALT活用に対しては、JET-ALT参加者と同等の地方財政措置は無いとのことです。
さらに、報酬水準については、昭和62年から据え置きになっていることを懸念する意見も出されました。物価高騰が続く中、報酬水準の見直しは今後の課題として検討されるべきだとする意見もありました。
勤務時間と兼業について
JET-ALTの勤務時間や兼業の可否についても議論されました。説明者によると、クレアで示された任用規則案では、勤務時間は週35時間となっているとのことです。また、営利企業への従事等の制限については、クレアの質疑応答集で、JETプログラムの目的の範囲内かつ継続的でない行為に対する報酬は認められる可能性があると示されています。
JETプログラムの重要性と今後の課題
審議会では、東日本大震災の際に、JETプログラム参加者が被災地で活躍した事例が紹介されました。これは、JETプログラムが地域に貢献する重要な事業であることを示すエピソードです。
今後の課題としては、報酬水準の見直しや、プログラムの更なる充実などが挙げられました。JETプログラムは、地域国際化に大きく貢献する事業であり、今後もその役割を担っていくことが期待されています。