国内初のETFEフィルムを使用したダスキンくりはら新社屋
近年、建築業界では最新技術と環境意識の高まりが重なりあい、さまざまな革新的な素材が取り入れられています。その中で注目を集めているのが、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン)フィルムです。この度、株式会社ダスキンくりはらの新社屋にこのETFEフィルムが導入され、国内初となる大規模な壁面の使用が実現しました。
画期的なETFEフィルムの導入
ETFEフィルムは、軽量かつ高透明な素材です。ダスキンくりはらの社屋では、このフィルムがアトリウムの窓に採用されており、自然光が柔らかく注ぎ込む明るい空間を演出しています。これにより、安全性とデザイン性を兼ね備えた社屋が実現しました。特に、ETFEフィルムは高い強度を持ちつつも、ガラスのように割れることがないため、安心して利用できることが大きな魅力です。
この建物の設計を担当した白江設計事務所の白江龍三代表は、ETFEフィルムの透明性と耐震性を強調。今後は幼稚園や公共施設などさまざまな場所での利用が期待されています。ETFEフィルムの高い光透過率は、動植物に関連する施設でも非常に有用とされています。
高機能なフッ素樹脂の素材
ETFEフィルムは、フッ素樹脂を用いてフィルム状に作られているため、環境に配慮した選択肢としても注目されています。薄さはわずか0.5mmながら、耐久性は約25年と長く、紫外線に対する調整も可能です。これにより、屋内の温度や光の調整ができるため、快適な環境を実現できます。
さらに、ETFEフィルムは排出されるCO2の削減が可能で、軽量なため輸送時の環境負荷も低減されています。耐震性についても、建物への負荷を軽減し、安定した空間を提供します。
環境に配慮した建物の設計
ダスキンくりはらの新社屋は、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証を取得しています。この認証は、建物が自らのエネルギー消費を最小限に抑え、積極的に再生可能エネルギーを活用することを目的としています。具体的には、高効率な熱交換機や自然換気を取り入れ、オフィス空間のエネルギー効率を高めています。
さらに、屋上には太陽光発電パネルが設置され、災害時には規定の生活を24時間確保できる設備が整っています。このような取り組みは、企業としての社会的責任を果たす一環とも言えるでしょう。
今後の展望
太陽工業株式会社は、ETFEフィルムの使用を積極的に提案していく次第です。この新しい素材は、建築物だけでなく、さまざまな公共スペースや複合施設でも活用が見込まれています。光を透過し、健全な環境を提供するETFEフィルムは、今後の建築デザインに革新をもたらすことでしょう。
ダスキンくりはらの新しい社屋は、その機能性、美しさ、環境への配慮を兼ね備えた先進的な建物として、さらなる注目を集めることは間違いありません。