地域活性化を狙った「銭湯大学」の魅力
石川県は、温泉や銭湯に対する愛着が強く、古くからその文化が根づいてきた地域です。古い街並みに佇む銭湯は、地域住民にとってなくてはならない存在とも言えます。しかし、1968年には294軒に達した銭湯が、現在ではわずか37軒にまで減少してしまいました。この背景には、家風呂の普及や大型スーパー銭湯の増加、さらには後継者の不足といった問題があります。そこで、新たな取り組みとして開講するのが「銭湯大学」です。
この「銭湯大学」では、銭湯の魅力や経営について学ぶことができる一般向けの講座が用意されています。講座は全5回で構成され、参加を希望する方は参加無料で申し込むことができます。この講座の目的の一つは、銭湯を運営している会員店舗とのマッチングを行い、未来の事業継承者を育成することです。「銭湯を知らない人生なんてもったいない」とは、この講座の企画者の言葉です。その思いを込めて、地元の文化を受け継いでいく意義を強く訴えています。
銭湯大学の講義内容
「銭湯大学」の開講日は、2022年11月23日からスタートし、12月4日、12月18日、そして2023年1月7日まで行われます。各回のテーマは以下の通りです:
講師は、かなざわおふろ旅ナビゲーター 西 彩巴子氏。
- - 第2回(11月27日):衛生的な銭湯を保つためのルール
講師は、石川県健康福祉部の主任技師 島岡 純平氏。
- - 第3回(12月4日):おふろ旅チェアマンによる石川の銭湯の魅力
講師は、高島 悠氏。
- - 第4回(12月18日):サステナブルな経営への取り組み
講師は、石川県公衆浴場業生活衛生同業組合の理事長 松永 日出男氏。
講師は、株式会社ファンカンパニーの代表取締役 松の湯番頭 神並 大輝氏。
地元の健康を育む役割
この「銭湯大学」は、たんに銭湯の運営技術を学ぶ場であるだけでなく、地域住民の健康や心の豊かさを育む重要な役割も果たします。銭湯を訪れることで、住民は心地よい空間を得て、疲れを癒すことができます。また、銭湯を文化の場としても活用し、マナーの教育や地域コミュニティの結束を深める場にもなります。
さらに、石川県公衆浴場組合は、地域活性化と環境保護を意識した活動として、SDGsへの取り組みも行っています。銭湯が燃料の循環利用や省エネルギーの施策を推進し、地域に貢献する姿勢を強く打ち出しています。
最後に
参加申し込みは、ウェブ専用フォームから可能で、定員は100名のため早めの申し込みをおすすめします。地域の銭湯文化を支えるために、新しい一歩を踏み出してみませんか?
銭湯を楽しむだけでなく、将来を担う人材を育てる「銭湯大学」は、心豊かな地域づくりに向けた重要な取り組みとして期待されています。