2024年6月の入札市場動向
株式会社うるるが運営する入札情報速報サービス「NJSS」が公開した2024年6月度の「入札マーケット動向」に関するレポートが注目されています。このレポートによると、2024年6月の公示案件数は前年同月比106%にあたる206,426件に達し、落札案件数も前年より108%増の166,243件となりました。
公示案件数の詳細
公示案件数の増加は、地方自治体が新たな会計年度を迎える中で予算を確定し、さまざまなプロジェクトに対する入札を活発に行っていることが要因とされています。また、入札形式別の公示案件の割合を見てみると、「一般競争入札」が30.8%を占め、これに続いて「随意契約」が21.6%という分布になっています。このことからも、公正性と透明性が求められていることが伺えます。
重要な業種カテゴリ
業種カテゴリ別に見ると、前年比で最も伸びたのは「建設・設備工事」でした。この業種では特に入札案件が増加しており、建設業界の活況が反映されています。一方、落札金額の総計も前年比121%となり、全体的に活発な取引が行われている形が見て取れます。
急上昇ライランキングにおけるセキュリティの影響
特に注目すべきは、2024年6月の入札検索キーワード急上昇ランキングです。第1位には「管理」、第4位には「セキュリティ」がランクインしました。これは、政府が6月に発表した、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた内閣サイバーセキュリティセンターの体制構築に関する報告が影響しているとされています。
「セキュリティ」に関連する入札案件も増えており、業界内でのさらなる需要が予測されています。具体的には、政府機関のサイバーセキュリティ対策の強化を目的としたマネジメント監査や、各地方自治体におけるセキュリティ管理装置の更新業務が目立つようです。
企業規模別の資格保有状況
全省庁統一資格を保有する企業の数は70,976社で、企業規模別に見ると大企業が11.08%、中小企業が49.87%、小規模企業が33.96%となっています。また、新規企業も増加傾向にあり、696社増加したことが報告されています。この状況は、入札市場の拡大を助けており、多くの企業が新しいチャンスを求めて参加している証です。
結論
2024年6月度の入札市場は非常に活発で、公示案件数や落札件数が前年を上回っています。特に「セキュリティ」に関する案件が注目されており、政府の取り組みが企業の入札活動に大きな影響を与えています。これからも、入札市場の動向に注目し続ける必要があるでしょう。