医師441名が語る年収の現実と転職による所得向上の実態
医療人材総合サービスを手がける株式会社エムステージ(東京都品川区)は、運営する転職支援サイト『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』に登録する医師441名を対象に、賃上げや年収についてのアンケート調査を実施しました。この調査は、労働人口の減少や物価高が進む中で、医療業界における賃上げの実態を探る目的で行われました。以下に、調査の結果をまとめます。
調査背景
医療界では、2024年度までに診療報酬改定による賃上げが見込みされていますが、医師たちの年収にどのような影響があるのかを多角的に見ることが求められています。特に、厚生労働省が掲げる賃上げの目標や医師の実際の年収状況は、現場の医師たちにどのように受け止められていたのでしょうか。
調査結果の概要
診療報酬改定の影響
アンケートの結果、診療報酬改定による賃上げが実施されたと回答した医師は全体の約10%にも満たないことが明らかになりました。実際のところ、3.4%の医師が賃上げが「すでに実施された」と回答し、6.1%が「これから実施される予定」としています。残りの8割近くは賃上げの予定がないと回答しています。この結果からは、医療現場における賃上げの遅れが浮き彫りとなりました。
年収への満足度
年収2000万円以上を得ている医師は約20%ですが、36.1%は年収に対して「納得していない」と回答しています。多くの医師が自らの働きに対する年収が妥当ではないと感じているようです。例えば、ある内分泌科の医師は「休日を潰してバイトをしてようやく2000万円を超えた」とコメントしています。これにより、勤務医がさらなる収入を求めて労働環境に不満を抱いている実態が浮き彫りになりました。
転職への意欲
勤務医の半数が年収を上げるために転職を考えているとのことです。52.6%は「転職を検討したことがある」と回答し、実際に転職によって年収アップを実現した医師も9割以上に及びます。特に、約49.5%の医師が希望する年収を達成し、45.3%は以前より多くの年収を得たと答えています。
エージェントとの関係
年収増加の実績を持つ医師の中で、転職エージェントを利用して年収交渉をしたことが「プラスに働いた」と感じた割合は89.6%に達し、33.3%は「大いにプラスだった」と感じています。これからの医療界における転職活動の重要性が示されています。
まとめ
医療業界の賃上げに関する本調査の結果からは、医師たちの間で年収的不満が高まっており、転職によって年収改善を目指す動きが顕著であることが分かりました。今後、医師の働き方や年収の実現に向けたさらなる支援が求められます。エムステージの提供する情報やサポートが、より良い未来の構築に寄与することを期待しています。
アンケート調査概要
- - 調査日: 2024年7月9日~16日
- - 調査方法: Webアンケート
- - 有効回答数: 441
詳細情報については、医師求人サイト『Dr.転職なび』や『Dr.アルなび』をぜひご覧下さい。
Dr.転職なび、
Dr.アルなびを通じて医療従事者を支援し、有意義な労働環境を作ることが求められています。