DevSecOps調査:認識の溝
2024-06-26 10:54:32

GitLab DevSecOps調査レポート:開発速度向上とAI導入における認識の溝

開発速度向上とAI導入における認識のずれ:GitLab DevSecOps調査レポート



GitLabは、世界中の企業のソフトウェア開発に関する調査結果をまとめたDevSecOps調査レポート「The current state of software development(ソフトウェア開発の現状)」を発表しました。このレポートは、2024年4月に世界中の企業の経営幹部やIT部門責任者、開発者、セキュリティ担当者、運用担当者など5,300人以上を対象に行われたものです。

レポートでは、セキュリティ環境、開発者の生産性、そしてAIの役割に関して、経営幹部と実務作業者の間に意識のずれがあることが浮き彫りになりました。

1. 開発速度の加速とAI導入の遅れ

経営幹部の69%が、ソフトウェアの開発からリリースまでの期間が前年と比較して2倍以上の速さで行われていると回答しました。これは、企業がソフトウェア開発のスピードアップを重視していることを示しています。しかし、AIを導入していると回答したのはわずか26%にとどまりました。開発速度の加速を促進するAI導入が遅れていることが分かります。

2. AIのリスクとトレーニングに関する認識のずれ

経営幹部の56%は、ソフトウェア開発ライフサイクルへのAI導入にはリスクが伴うと回答しましたが、実務作業者はプライバシーとデータセキュリティへの懸念をAI導入の最大の障壁と考えているという結果が出ました。

また、AIの使用に対する障壁として、経営幹部の35%がAIの採用やAI出力の解釈に必要なスキルセットの欠如を挙げた一方で、実務作業者は26%しか同じ認識を持っていませんでした。さらに、実務作業者の25%はAI使用に対する十分なトレーニングやリソースが会社から提供されていないと感じているのに対し、経営幹部は15%しか同様の認識を持っていませんでした。

3. ソフトウェア・サプライチェーンのセキュリティに関する課題

実務作業者の67%が、オープンソース(OSS)ライブラリからコードを取得している量が4分の1以上に上ると回答しました。しかし、ソフトウェアの構成を文書化するためにソフトウェア部品表(SBOM)を使用していると回答した企業はわずか21%でした。

また、セキュリティ担当者の52%が、脆弱性を迅速に修正する作業をしばしば遅らせる障害として「お役所仕事」を挙げています。さらに、セキュリティ担当者の55%が、コードがテスト環境にマージされた後に脆弱性が発見されることが多いと回答しました。

4. 開発者の生産性測定に関する課題

経営幹部の99%が開発者の生産性向上は何らかの形でビジネスに有益となると回答し、57%が生産性の測定がビジネス成長の鍵となると考えています。しかし、経営幹部の51%は現在の開発者の生産性の測定方法に問題がある、もしくは測定を取り入れたいが手法がわからないと回答し、45%は開発者の生産性のビジネス成果に照らした計測を行っていませんでした。

5. ツールが多すぎることで開発スピードが低下

経営幹部の52%がソフトウェア開発にチームで使用しているツールは2~5個と回答している一方で、実務作業者の54%が使用ツールは6~14個であるとしており、社内での認識に乖離があることが明らかになりました。

ツールチェーンの統合を希望すると回答したのは、ソフトウェア開発にAIを使用している企業では74%である一方、AIを使用していない企業では57%でした。すでに統合を進めていると回答したのは全体のわずか17%でした。

経営幹部と実務作業者の認識のずれを解消し、協力して取り組むことで、さらなるイノベーションが推進される可能性があります。

GitLab DevSecOps調査レポート:AI導入における認識の溝と課題



GitLabが発表したDevSecOps調査レポートは、開発速度向上とAI導入を促進する上で、経営幹部と実務担当者間の認識のずれが大きな課題となっていることを浮き彫りにしました。

特に、AIに関する認識のずれは深刻です。経営幹部はAI導入によるリスクを認識している一方で、実務担当者はプライバシーとデータセキュリティへの懸念を抱いています。また、AIの採用や運用に必要なスキルセットの不足も、AI導入の障壁として挙げられています。

AI導入を成功させるためには、経営幹部と実務担当者間のコミュニケーションを密にする必要があります。経営幹部は、AI導入によるメリットだけでなく、リスクや必要なスキルセットについても明確に理解させ、実務担当者の不安を解消する必要があります。

また、実務担当者に対しては、AIに関する適切なトレーニングを提供する必要があります。AIの基礎知識や運用方法、倫理的な問題などについて学ぶ機会を与えることで、AIに対する理解を深め、安心して活用できる環境を整えることができます。

さらに、開発者の生産性測定に関する課題も指摘されています。経営幹部は開発者の生産性向上を重視していますが、具体的な測定方法やビジネス成果との関連付けができていない企業が多いようです。

開発者の生産性を適切に測定するためには、開発プロセスや成果物、コード品質などを考慮した指標を設定する必要があります。また、測定結果をビジネス目標と関連付けることで、開発者のモチベーション向上にも繋げることが重要です。

今回の調査レポートは、企業がソフトウェア開発の現状を客観的に把握し、今後の戦略を策定する上で重要な示唆を与えています。経営幹部と実務担当者が協力して、AI導入や開発者の生産性向上に取り組むことで、より効率的で安全なソフトウェア開発を実現できるでしょう。

関連リンク

サードペディア百科事典: AI GitLab DevSecOps

Wiki3: AI GitLab DevSecOps

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。