エレコム、インド市場への新たな展開を発表
エレコム株式会社が、2025年4月8日にインド最大級のデジタルヘルスケア企業「メディバディ」を運営するPhasorz Technologies Private Limited(フェーザーズテクノロジーズプライベートリミテッド)との資本業務提携を結びました。この提携により、エレコムは「メディバディ」と共同でヘルスケア事業の拡大を図り、特にインド市場においてローカライズされた製品の開発を目指します。
この提携の背景には、日本市場において展開しているヘルスケア製品やサービスに加え、グローバル市場への事業拡大を図るという戦略があります。エレコムは、デジタル技術を活用した新たな健康管理ソリューションを通じて、より良いヘルスケアサービスを提供し、病気予防や健康維持に貢献することを目指しています。
インドの医療課題を解決する取り組み
インドでは医療従事者が慢性的に不足しており、10,000人当たりの医師数はわずか8人という現状です。そのため、遠隔医療がますます重要視されており、2025年には遠隔医療市場が約54億ドル(約8,532億円)に達すると予測されています。また、急速な経済成長に伴い、生活習慣病の患者数が急増しており、特に糖尿病患者は世界でも第2位に位置しています。
このような背景を踏まえ、エレコムは「メディバディ」と協力して、非感染性疾患の予防に向けた実証調査を行っており、生活習慣病に対する効果的なアプローチを模索しています。「メディバディ」は医師オンライン相談、薬の配達、血液検査等、さまざまなヘルスケアサービスを提供しており、125,000人以上の医師と提携し、インド国内の医療環境を革新し続けています。
提携の具体的な内容と展望
エレコムと「メディバディ」の提携は、以下のような主な戦略を盛り込んでいます:
1.
健康管理製品の販売:エレコムは、メディバディのユーザーや提携薬局に向けて、体組成計や体重計を販売します。Bluetooth通信機能を搭載した製品は、測定データを自動でアプリに転送することで、簡単に日々の健康管理をサポートします。
2.
製品開発の協力:インド市場向けにローカライズされた製品を共同で開発します。体組成計や血圧計など、日常的な健康管理に役立つ製品を提供することで、より多くの人々に健康管理の意識を高めることを目指します。
3.
健康データの活用:取得した健康医療データを活用し、生活習慣病予防や健康指導に役立てる取り組みを進めることで、データドリブンな健康管理を支援します。
今後の展望
サティシュ・カンナン氏(メディバディ CEO)はこの提携を通じて、エレコムのIoT技術とメディバディの医療専門知識を組み合わせることで、より質の高い医療サービスを提供することを目指しています。エレコムのヘルスケア事業部長である医師、葉田甲太氏も、この連携を通じてインド市場における医療の身近さを実現するという理念を強調し、国境を越えたヘルスケアの進化に寄与することを目指しています。
この提携によって、インド市場におけるエレコムのヘルスケア製品の展開が一層進み、国民の健康への意識向上と生活習慣病予防の強化が期待されます。エレコムは、AIとIoT技術を駆使した健康管理の未来を切り開くため、今後も努力していくことでしょう。