新たな生物多様性の扉を開く「東京いきもの台帳」の進化
東京都が株式会社バイオームと協力し、「東京いきもの台帳」のデジタル版が進化しました。これは、都内の野生生物情報を一目で把握できる素晴らしい取り組みで、特に国際生物多様性の日である5月22日に新たにクモおよびセミの目録が追加されたことが大きなニュースとなっています。この台帳は市民参加で作成されており、多くの人々がこの貴重な資源に協力することで、東京都内の生物多様性を把握することが可能です。
進化した目録、実績とデータ
今回のアップデートにより、クモ類は693種、セミ類は17種が新たに記録されました。これは、145年以上にもわたる調査の末に集められたデータに基づいています。特にクモ類の693種という数は、全国最多となっており、国内で記録されているクモの約4割を占めることからも、その多様性の豊かさが伺えます。
さらに、クモの多様性は多くの小さな昆虫を捕食することが示されており、東京の環境がいかに多様であるか、また、クモが生息しやすい条件が整っていることを証明しています。東京は面積が小さいながらも、高山、里山、市街地、そして島しょなど、様々な生息環境が存在し、それが生物多様性を支えていると言えます。
セミ類に関しては、特に「クマゼミ」の存在が注目されています。この種は南方系で、東京都内では植栽などが影響し人為的に持ち込まれたものとされています。この調査結果は、市民が直接参加して得られた貴重な情報です。
生物調査イベント開催
公表を記念して、アプリ「Biome」を通じたいきもの調査イベントも行われます。このイベントは誰でも参加可能で、自分が見つけた種を投稿することで、さらに生物データが蓄積されていく仕組みです。このアプリは、東京いきもの台帳に関連したクエストを通じて、身近な場所で観察や調査を楽しむことができる素晴らしいツールです。
調査期間は2025年5月22日から7月9日までで、東京都内が対象となります。興味のある方は、アプリをダウンロードし、公式ウェブサイトをチェックしてみてください。プロジェクトに参加することで、より多くの人々が東京の生物多様性に貢献することができるでしょう。
「東京いきもの調査団」について
このプロジェクトの一環として、東京都では「東京いきもの調査団」を設立しました。これは、専門家による調査だけでなく、市民も手軽に参加できるようにすることで、誰もが東京の生物調査に参加できるようにする試みです。これにより、より多くの多様なデータが収集され、東京都の生物多様性の理解が深まっていくことを目指しています。
株式会社バイオームの役割
株式会社バイオームは、生物多様性の価値を社会に浸透させるためのベンチャー企業で、2017年に設立されました。生物情報プラットフォームを構築し、世界中の生物分布データを収集・保存しています。この取り組みを通じて、企業としても生物多様性の保護に貢献していくことを目指しています。
「東京いきもの台帳」は、ただのデータベースではなく、東京の自然を学び、楽しむための重要なツールとなっています。東京の生物多様性を守るため、皆で協力し合い、持続可能な未来を築いていきましょう。