フローと時間の関係
2025-01-27 15:22:08

フロー体験と時間の歪みに関する新たな研究成果

フロー体験と時間の歪みの関係とは?



千葉大学文学部の高橋紀香氏と一川誠教授が、ゲームプレイ中のフロー体験に関する新たな研究を実施しました。この研究では、参加者がタイピングゲームを行う中で「ゾーンに入る」と呼ばれる状態を体験し、その時の主観的な時間の歪みがどのような要因に左右されるのかを明らかにしました。

フロー体験は、目標への極度な集中を伴う心理状態を指し、時間感覚が大きく変化することが知られています。本研究では、フロー体験の発生メカニズムに注目した実験が行われ、参加者の主観的な時間の歪みがどのように形成されるかを探ることが目的でした。

研究背景


フロー体験は、自己を忘れるほどの没頭感や、課題に対する高い集中力から生まれます。研究によると、この状態に入ると時間感覚が大きく変化することが観察されています。来たる2025年1月31日には、本研究成果が国際誌『International Journal of Affective Engineering』で発表される予定です。

研究の方法


この実験には20名の大学生が参加し、各自が日常的に行っている活動や趣味を挙げ、その中でのフロー体験の度合いを評価しました。参加者は4回のタイピングゲームを行い、各回の終了時に自らの時間の感覚に関する15通りの文章をタイプしました。さらに、フロー体験が生じているかどうかを判定するためのチェックリストを用いて、試行後の心的状態を評価しました。

フロー体験における時間の歪み


研究結果によると、フロー体験中の時間の過小評価(時間が短く感じる)は、以下の要因が強いほど顕著になりました:
  • - ゲームへの集中度の高さ
  • - 目標達成への低い実感
  • - 課題に対するコントロール感の欠如

逆に、フロー体験中の時間の過大評価(時間が長く感じる)は、集中度や気力が高いときに大きくなることが分かりました。この知見は、フローを最大限に活かし、より長く楽しい時間を享受するための糸口になります。

今後の応用


この研究はゲームだけでなく、さまざまな活動におけるフロー体験を理解する手助けとなります。特に、教育やビジネスシーンにおいても、仕事や学びの効率を向上させるための新たなヒントを与えるかもしれません。今後、フローを感じる体験を拡張する方法論が確立されることが期待されます。将来的には、人々がより充実した時間を楽しめるような手法が開発されるでしょう。

論文情報


本研究は、今後の心理学的アプローチや実践方法に新たな視点を提供し、さまざまな分野におけるフロー体験の理解を深めることが期待されています。
  • - 論文タイトル: Factors influencing distortion of subjective temporal duration in flow experience during game play
  • - 著者: Norika TAKAHASHI and Makoto ICHIKAWA
  • - 雑誌名: International Journal of Affective Engineering
  • - DOI: 10.5057/ijae.IJAE-D-24-00022


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国立大学法人千葉大学
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千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 
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