2022年の日本の英語オブザイヤー発表
日本の英語オブザイヤー2022が選考を経て決定しました。今年のトピックには、和製英語や誤訳など、私たちの日常に密接に関わっている英語の使用に関する重要な問題が浮き彫りになりました。
和製英語部門
今年、「和製英語」部門で栄冠に輝いたのは「ライバー」です。これはライブ配信を行う人を指し、主にYouTubeやInstagram、TikTokなどで活動するオンラインストリーマーを意味します。日本語の「ライバー」は、英語に直訳すると「liver」となるため、肝臓とは異なる概念を持っていることを考慮すると、この言葉が和製英語であることの意義が見えてきます。この分野では一般的に、キャスティングや収益化を通じて生計を立てる人々も多く、今後も成長が期待されます。
次点には「メタい」と「リアル開催」が選ばれました。「メタい」という言葉は、アニメやドラマでキャラクターが観客に視点を向けた表現をする際に使われます。これに接尾語「い」をつけることで和製英語化されるのは、日本特有の現象です。そして「リアル開催」は、対面のイベントが再開されたことを象徴しています。
これらの用語が意識されることで、より効果的なコミュニケーションが可能になることを期待したいところです。
伝わらない英語部門
一方で「伝わらない英語」部門では、「Humishige Naka body」という言葉が選出されました。これは、日本語の「中文繁体」を翻訳した際に機械翻訳によって引き起こされた誤訳によるもので、正確な翻訳は「traditional Chinese」です。この事例は、機械翻訳が多言語コミュニケーションを助ける一方で、依然として注意が必要であることが示されました。
次点には「inundation」が紹介されましたが、これは気象庁のウェブサイトで「浸水」を意味する訳語として使われています。しかし、inundationは「人や物であふれて覆い尽くす」といった意味があり、河川の氾濫には一般的に「flood」が用いられます。したがって、適切なコンテキストでの使用が求められます。これは特に、災害警報などでの明確なメッセージ伝達において、極めて重要です。
鶴田会長のコメント
この結果について「日本の英語を考える会」の鶴田知佳子会長は、「和製英語はそのまま英語として使うと意味が通じないことが多々あります。最近では看板やウェブサイトで日本語と英語を併記することが一般的になっていますが、日本語を母語としない人にもわかりやすく意味を伝えることが重要です。」と話しています。日本での英語表記をさらに向上させる契機になることを祈ってやみません。
日本の英語を考える会について
この会は、公共の場における「日本の英語」を「伝わる英語」に改善することを目指して2020年に発足し、日英同時通訳の第一人者である鶴田会長が運営を行っています。日本語と英語のコミュニケーションを円滑にするため、様々な提案を行っています。詳細は、
noteブログをご覧ください。