フェイクニュース対策に新時代到来！富士通が開発する偽情報対策システム

フェイクニュース対策に新たな技術革新！富士通が開発する偽情報対策システム

近年、インターネット上での偽情報の拡散が深刻化し、社会問題となっています。生成AIや合成コンテンツの進化により、より精巧な偽情報が作り出され、人々の判断を惑わせる事態も発生しています。

この課題解決に向けて、富士通は経済安全保障重要技術育成プログラム（K Program）のもと、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）が公募した「偽情報分析に係る技術の開発」事業に採択されました。本事業は、偽情報の検知・評価・システム化に関する研究開発を目的とし、60億円の予算で2024年から2027年までの4年間実施される予定です。

偽情報対策システムの革新的な特徴

富士通が開発する偽情報対策システムは、従来の技術とは一線を画す革新的な機能を備えています。

メディアごとの情報分析と偽情報検知： SNS投稿などの情報を文章、画像、映像、音声メディアに分解し、それぞれの内容を分析。生成AIなどによる作為性の判定を行い、偽情報の検知を強化します。
根拠、エンドースメント管理： インターネット上の情報に対する様々な根拠をグラフ構造化し、管理するシステムを構築。情報の信頼性を多角的に評価します。
総合真偽判定支援： 大規模言語モデル（LLM）を活用し、情報に紐づけられた根拠の整合性や矛盾を分析。情報の真偽判定を支援します。
偽情報影響度評価： 偽情報の特徴を分析し、拡散規模や社会的な影響度を評価します。

これらの技術を統合することで、より精度の高い偽情報対策を実現し、安全で信頼性の高いデジタル社会の実現を目指します。

社会への貢献と今後の展望

富士通は、本事業を通じて、偽情報対策の社会基盤整備に貢献し、安定的な経済活動を維持するための重要な役割を担います。また、開発された技術を新産業創出や国際競争力強化につなげ、日本の経済成長に貢献していくことを目指しています。

さらに、富士通は「デジタル社会の発展」をマテリアリティ（重要課題）として掲げ、世界の繁栄と安定が両立する、信頼性のあるデジタル社会の実現に貢献していくことを目指しています。

注目の「エンドースメントグラフ」とは？

本事業で開発される偽情報対策システムの重要な要素となる「エンドースメントグラフ」は、情報に付加される発信者（人や組織とその属性）、位置、日時などの真偽判定の根拠となる情報をグラフ構造化することで、情報の信頼性を評価する技術です。

富士通は、このエンドースメントグラフを「Trustable Internet」の主要機能として開発し、インターネット標準化会議「IETF 116 Yokohama」に出展するなど、技術開発を進めています。