NECがOracleの先進技術を活用しサポート業務の革新へ
日本電気株式会社(NEC)は、多くの企業が直面するサポート業務の効率化に向けて、OracleのAI技術「AI Vector Search」を取り入れることを決定しました。この取り組みは、NECオラクル・レスポンス・センター(NEORC)で展開され、業務の効率化と顧客対応の質向上を目的としています。
背景とNEORCの役割
NEORCは、NECがOracle製品のサポートを行う専門組織であり、年間約12,000件もの問い合わせに対応しています。多くの問い合わせが過去の類似ケースに関するものであるにもかかわらず、膨大なデータから迅速に正確な情報を抽出することは容易ではありませんでした。この課題を解決するために、Oracleの提供する新たな技術を導入することになったのです。
AI Vector Searchの導入
AI Vector Searchは、Oracle Databaseの最新バージョンで利用可能な機能であり、テキストや音声、画像などの類似検索を効率的に行います。この機能を活用した実証実験の結果、問い合わせ対応に必要な時間を20%以上短縮できる可能性が示されています。具体的には、生成AIの技術を用いて、過去の問い合わせ内容を参考にした迅速な回答案を生成し、調査にかかる時間を削減することが期待されています。
今後の展望
NECは、この新しいサポート業務システムを2025年9月から運用開始する予定です。さらなる業務革新を実現するため、NECは「BluStellar」という先進的な価値創造モデルを基に、データベース技術と生成AIを融合させたサービスの提供を進めています。このモデルは、業務課題の解決と共に、お客様に未来の可能性を提示する役割を担っています。
日本オラクルからのコメント
日本オラクル株式会社の執行役員、吉川顕太郎氏は、「NEC様によるNEORC業務効率化のための生成AI活用検証とOracle AI Vector Searchの採用を歓迎いたします。問い合わせ対応時間の短縮が期待できる結果が出たことにより、サポートの品質向上に寄与することができると確信しています」と述べています。
NECの取り組み
一方、NECのデータ基盤サービス統括部の平野裕司部長は、「サポートエンジニアの技術向上のために蓄積されたデータを活用し、より高品質なサポートサービスを提供するための新システムの導入が進められています」と話します。
最後に
NECが取り組むこの新たな技術導入は、サポート業務の効率化にとどまらず、顧客満足度の向上にもつながることが期待されています。今後の展開が注目されます。