能登半島の通信事情
2025-12-25 18:35:24

能登半島の通信復旧と奥能登版デジタルライフラインの進展について

能登半島における通信復旧状況とデジタルライフラインの推進



令和6年に発生した能登半島地震とその後の奥能登豪雨により、地域の通信インフラに深刻な影響を与えました。特に携帯電話の基地局が多数停止し、通信可能エリアが大幅に減少する事態に陥りました。能登6市町においては、通信可能エリアがなんと3割まで低下し、奥能登4市町でも30%の基地局が停波したのです。

しかし、通信事業者の迅速な対応により、多くの基地局が復旧し、発災前の状況をほぼ取り戻すことができました。とはいえ、依然として通信が不安定な地域も存在し、特に「のと里山海道」の別所岳周辺では、石川県と通信事業者間で新たな基地局の整備に向けた調整が行われています。このように、地域の通信環境の改善に向けた取り組みが進められています。

衛星通信の活用



地震や豪雨の際には、KDDIを始めとした5つの携帯電話事業者が、困難な通信環境への対応として、衛星通信機器「スターリンク」を設置しました。避難所を中心に展開されたこのシステムにより、電波が届きにくい場所でも通信環境が確保され、非常に有効な手段となりました。振り返れば、過去の災害と比較しても、この規模での応急措置は極めて迅速でした。

奥能登版デジタルライフラインの導入



「奥能登版デジタルライフライン」は、災害時の通信途絶やデジタル技術の活用に関する教訓を生かし、平時から有事にかけて連携できる取り組みです。このプログラムは地域のデジタル拠点の整備や、スマートフォンを用いた住民情報の把握、さらにドローンの活用モデルの実証など多岐にわたります。具体的には、通信途絶期間の短縮を目的とした地域デジタル拠点の設置が進められており、孤立の危険がある公民館など14カ所にスターリンクを常設する計画が立てられています。

スマートフォンを活用した取り組み



さらに、令和8年からは新たなサービス「のとピッと」の実証が開始されます。このサービスでは、能登6市町内で外出を促す仕組みを導入し、QRコードを使ったポイントシステムを構築しています。外出時のアクティビティが健康増進に寄与するとともに、災害時には被災者情報の把握にもつながることを目指しています。地域の皆様が集まる場所には、「のとピッとスポット」が設置され、官民問わず広く協力を呼びかけています。

ドローンの利活用



また、ドローンの活用も進行中です。KDDIと石川県の包括連携協定に基づき、遠隔運航によるドローンの実証が令和7年から始まり、将来的には能登地域全体で15カ所のドローンポートが設置される予定です。これにより、平時から災害時まで幅広いシーンで、ドローンが活用されることになります。

能登半島の通信インフラがこうした厳しい状況の中でも着実に復旧し、デジタルライフラインが進展していることは、地域住民にとって希望の光となります。今後もこの取り組みを進めていくことで、より良い通信環境が整備されることを期待しています。


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