震災の教訓を未来へ変える新たな一歩
2026年2月14日、宮城県東松島市に、震災の教訓を活かした防災体験型宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」内に、小型・中型犬専用のドッグラン「パウ」がオープンします。この新しいドッグランは、愛犬とともに過ごす場であるだけでなく、災害時における「ペット同伴避難」の重要性を実証する拠点としての役割も果たすことを目指しています。
災害時に直面したペット連れの課題
2011年の東日本大震災では、多くの飼い主が避難所における動物の立ち入り制限から大きな困難を体験しました。愛犬を連れて避難所に入れず、車中泊を余儀なくされたり、自宅に留まって倒壊の危険にさらされたりする飼い主たちの姿は、心に深い傷を残しました。この経験は、今日に至るまで「ペット同伴避難」の重要性を再認識させるものとなりましたが、実際には受け入れ体制やコミュニティ形成などの課題が多く残されています。
KIBOTCHAのスタッフは、当時のこうした悲劇を見てきた経験を活かし、「パウ」の設立へとつながるプロジェクトを立ち上げました。
ドッグラン「パウ」の目的と理念
「パウ」は、単なる愛犬の遊び場を超え、飼い主とペットが共に安全に避難できる環境を形成するためのモデルケースとなることを目指しています。また、ドッグランという楽しさを通じて地域住民や宿泊客が自然に防災拠点であるKIBOTCHAに集まり、日常的に防災意識を高める習慣を育む場となります。
さらに、飼い主同士が交流することで有事の際に助け合えるネットワークを築き、孤立した避難を防ぐことも目指しています。「パウ」は、ペットを家族の一員として、誰もが安心して避難できる社会の実現を志向しています。
将来への展望
「ドッグランパウ」のオープンは、KIBOTCHAが目指す「ペット共生型防災拠点」の第一歩です。今後は、大型犬エリアの拡張やペット専用の備蓄倉庫の設置、ペット防災アドバイザーによるワークショップの開催などを計画しています。これらの取り組みは、東松島での防災意識を全国、さらには世界に広げていく意義ある活動です。人と動物が共に安全で幸せに暮らせる持続可能な社会の実現に向けて、着実に進んでいきます。
企業の思い
貴凛庁株式会社のドッグラン「パウ」を率いる武山千佳子さんは、「震災当時に避難所で途方に暮れる飼い主の姿を目の当たりにし、その無念さを胸に刻んでいました。ペットを家族として守るために必要な場所を作ることができ、本当に嬉しく思っています」とコメントしています。彼女は、KIBOTCHAがかつて学び舎であったことを踏まえ、地域の人々のために安心して避難できる場所を提供したいという願いを語っています。
このように「ドッグランパウ」は、単なる遊び場以上の意味を持ち、地域の防災力の向上や支え合いを促進する重要な役割を果たしていくことになります。37,000haの面積を誇る東松島市で、未来への希望を凝縮した「パウ」を通じて、他の地域へとその取り組みが広がることを期待しています。