保育士の離職と研究
2024-09-25 12:12:47

保育士の離職を減少させるための研究が持つ影響と意義

保育士の離職を減少させるための研究が持つ影響と意義



昨今の日本において、少子高齢化はますます進行し、ケアワークの重要性は増す一方です。保育士は、子どもたちの成長を支える重要な存在ですが、その離職率は年々高まっています。2020年のデータによると、常勤保育士の離職率は8.4%に達しており、保育士の需要も決して少なくなっていません。しかし、この課題を扱うためには、保育士がどのような理由で離職に至るのか、そしてその背景にはどのようなプロセスが存在するのかを詳しく知る必要があります。これを受けて、株式会社ベター・プレイスと東京大学教育学部高橋研究室は共同で研究を行い、成果を2024年8月開催予定の日本心理臨床学会第43回大会で発表する予定です。

研究の背景



保育士の離職理由は、「職場の人間関係」や「給料が安い」といった社会的な要因が多くを占めていますが、統計データだけでは保育士個人の体験やプロセスを理解することが難しいと言えます。高橋美保教授は、「離職は個人の問題だけでなく、組織の問題でもある」とし、経営者の視点からもアプローチすることが不可欠であると述べています。

今回の研究では、保育士、経営者、心理職の代表者に対し、インタビューを行うことで、より深い理解を目的として実施されました。分析では、実際に離職経験を持つ心理職が参加し、どのような過程があるのかを明らかにする試みがありました。

調査方法



調査は2022年から2023年にかけて実施され、保育士の経験や感情を掘り下げることを目指しました。具体的には、7名の保育士、8名の経営者、5名の心理職に対して、半構造化インタビューが行われました。これにより、保育士の離職について8つのカテゴリと34の概念が明らかとなり、仮説モデルが作成されました。

研究の結果



調査の結果、離職のプロセスは単純ではなく、保育士自身のキャリアや職場の状況が複雑に絡み合い、個々の要因が融合していることが分かりました。「職場における潜在的問題」が影響を及ぼし、心理的な葛藤や経営者との関係性が離職に至るかどうかの分岐点になることが示されました。

また、問題の発生は前もっての兆候を伴っており、そのために、職場環境の改善や支援が求められることも示唆されました。心理職の利用が効果的で、保育士が主体的に離職の経験を持つことの重要性も高まっています。

高橋教授の見解



高橋教授は、この研究を通じて、子どもたちを支える保育士の環境が整うことが重要であると強調しています。保育士の職場環境が整えば、結果的に子どもたちの成長にも良い影響を与えると考えられます。

ベター・プレイスのコメント



株式会社ベター・プレイスの代表・森本新士氏は、この研究に関わった企業や保育士に感謝の意を示し、今後も保育士の働く環境向上を目指して長期的な活動を行う意向を表明しています。彼らのビジョンは、すべての人々が「お金の心配なく、自分らしく働ける」社会に繋がっています。

まとめ



ベター・プレイスと東京大学が共同で行った今回の研究は、保育士の離職に関する新たな視点を提供するものとして注目されます。多様な視点を取り入れたアプローチが、保育士の離職率を下げるための政策や支援策を導き出すことが期待されます。保育士自身が安心して働く環境を整えていくことが、ゆくゆくは子どもたちの未来を明るくすることにつながるでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社ベター・プレイス
住所
東京都新宿区四谷坂町9-9三廣ビル9F
電話番号
03-5227-8222

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