FRONTEOとマルホが共同で皮膚科の創薬支援プロジェクトを開始

新たな創薬への挑戦：FRONTEOとマルホの共創プロジェクト

東京都に本社を置く株式会社FRONTEOと、大阪市北区のマルホ株式会社が、皮膚科領域における創薬標的探索のための共創プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、FRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory（DDAIF）」をフルに活用し、多様化し複雑化する創薬の現場における新しい標的分子の発見を目指します。

創薬における現状と課題

創薬の世界では、疾患の多様化とその複雑さから、従来の手法では発見が困難な新規の標的分子やメカニズムの発見が求められています。さらに、データ解析を中心とするAI技術と、生物学的検証を行うウェット研究との間で、成果や知見が共有されないケースが多く、研究開発の速度や成功確率が低下してしまう問題も存在します。

FRONTEOとマルホの新プロジェクトでは、両社の研究者が初期段階から緊密に連携し、DDAIFを活用して新しい仮説を生み出し、標的分子の探索を加速させることを目指しています。これは、一般的な委託形態とは違い、相互に知見や技術を共有しながら進めるものです。さらに、適切なタイミングでウェット研究へと移行することで、成功率向上に寄与することが期待されています。

FRONTEOとDDAIFの強み

FRONTEOの「DDAIF」は、自然言語処理に特化したAIである「KIBIT」を活用しており、疾患関連遺伝子ネットワークの解析から新たな仮説を構築する能力に特化しています。この技術によって、膨大な情報の中から新たな標的を探索することで、創薬研究者が自信を持って意思決定を行えるようサポートすることを意図しています。

FRONTEOの取締役である豊柴博義氏は、「皮膚領域における創薬は、患者中心の視点や生物学的理解が不可欠であり、我々の技術との親和性が高い。このプロジェクトを通じて、革新的な医薬品の創出が期待できる」とコメントしています。意義深い共同研究を通じて、両社は患者の望む治療法を提供することを目指しています。

マルホの歴史とミッション

マルホは1915年に設立され、皮膚疾患に特化した製薬企業として多くの患者に医薬品を提供してきました。現在も、薬の研究・開発、製造、販売を行いながら、患者の信頼に応える活動を続けています。「あなたといういのちに、もっと笑顔を。」というミッションのもと、医療の発展に貢献しています。

期待される成果と今後の展望

このプロジェクトは、FRONTEOとマルホの専門知識と革新的な技術が融合することで、新たな標的の発見や仮説生成を可能にし、それによって皮膚科領域の創薬を効率化することが期待されています。共創プロジェクトの成功は、他の製薬企業との連携にも良い影響を与えるでしょう。現在、FRONTEOは他の複数の製薬企業と同様の取り組みを進めており、それぞれの成功率向上に寄与することが期待されています。

このように、FRONTEOとマルホの連携は、皮膚科領域での創薬活動において、新たな道を切り開く期待が高まっています。今後のさらなる研究発展や、新薬の実用化に向けた進展に注目が集まります。