TISとPegasystemsの提携の背景
TIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本安史)は、Pegasystems Inc.(NASDAQ:PEGA)と2025年1月にパートナーシップ契約を結んだことを発表しました。この提携は、特に金融業界におけるデジタル変革を加速させるものとなるでしょう。金融業界は、安全性や俊敏性が求められるため、柔軟なフロントエンドシステムと効率化された業務プロセスの導入が急務となっています。
パートナーシップを結ぶ理由
経済産業省が発表した「DXレポート」では、レガシーシステムの問題が指摘されており、これにより、多くの企業がデータ活用を妨げられています。特にCOBOL技術者の不足や、大手ベンダーのメインフレーム事業撤退がこの傾向をさらに悪化させています。このような状況の中、TISは既に「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を通じてバックエンドのモダナイゼーションを進めてきましたが、フロントエンドにも同様のアプローチを強化する必要が生じました。そこで、TISはPegasystemsとの提携を決定し、Pega Infinityを利用してフロントエンドの柔軟性と俊敏性を高めることにしました。
Pega Infinityの特長
Pega Infinityは、業務プロセスの可視化と改善、自動化に特化したソリューションです。このプラットフォームには、以下のような特長があります:
1.
ケースマネジメントによる顧客エンゲージメントの向上
業務フローの組み直しが可能で、迅速に顧客ニーズに応じた対応ができるようになります。
2.
生成AIによる業務・開発支援
自動生成したテストデータやユーザーインターフェースのデザインにより、開発プロセスが効率化されます。
3.
APIが標準装備
CRMツールなどと連携が容易で、ローコード開発が可能になります。
提供される価値
TISはPegasystemsとの提携を通じ、金融業界におけるシステム開発のサポートを強化します。これにより、フロントエンドからバックエンドまでの一貫したモダナイゼーションを実現し、業務プロセスの改善と自動化を進めます。具体的には、TISの業務知識を活かした安全で効果的なDX施策の推進、段階的なモダナイゼーションによる競争力の維持、そして豊富なユースケースに基づくベストプラクティスの提供などが期待されます。
将来への展望
今後、TISは金融業界にとどまらず、他の産業においてもPega Infinityを活用したソリューションを提案し、国内での導入を進める方針です。これにより、デジタル変革を進め、顧客企業の持続的な成長をサポートすることを目指します。
まとめ
TISとPegasystemsの提携は、金融業界を中心に企業のデジタル変革を後押しする重要なステップとなります。この取り組みにより、レガシーシステムの課題を解決し、より効率的で柔軟な業務環境を実現することができるでしょう。
今後、それぞれの企業がどのように変革を成し遂げていくのか、注目が集まります。