DENTSU DESIRE DESIGNが発表した「欲望未来指数」2024年5月版
株式会社電通の消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(以下DDD)」は、最新の「欲望未来指数」を発表しました。この指数は、消費者の“欲しい”や“したい”といった心の動きを可視化したもので、今回の調査から、消費者の欲望が大きく減少していることが明らかになりました。
新型コロナウイルス感染症の5類移行後、日常生活において落ち着きを取り戻しつつある日本において、消費の潮目が変わろうとしている様子がうかがえます。特に「無理のない自由への欲望」と「心身平常運転の欲望」が顕著に減少しました。これらの欲望は、消費者の日常生活において重要な要素であり、コロナ後に訪れた反動が影響していると考えられます。
「欲望未来指数」の推移
最新の指数は前回調査(2023年11月)と比較して34.7ポイントの大幅減少を記録し、225.0という数値になりました。今回の調査には新たに15〜19歳も加わったため、2023年5月以前のデータは参考数値にとどまります。しかし、今回の調査結果からは、日本経済の不確実性の中で消費者が自らの欲望をコントロールしている様子が明らかになっています。
「11の欲望」の指標も同様に減少していますが、特に日常生活への影響が大きい2つの欲望が落ち込んでいます。経済が不透明である中、金利上昇や円安、生活コストの増加といった消費者の不安要素が影響していると考えられます。これによって、消費者は再び安定した日常を追求しているのかもしれません。
新型コロナからの影響
新型コロナによる「リベンジ消費」によって、これまでの消費意欲が一時的に高まったものの、現在はその反動で消費動向が沈静化しているとの見方があります。このように、消費者が抑制を図ろうとしていることが数値に反映されているわけです。2022年11月と比べると「欲望未来指数」は同水準となっており、消費者が何を求めているのかを考え直す時期に来ているのかもしれません。
今後の展望
株式会社電通は今後もこの「欲望」という視点を重視し、消費者理解の深化を図るための研究を進めていく方針です。人々の消費行動に直結する感情や欲望を探求し、顧客の製品やサービスの購入過程を最適化するための支援を行っていくことで、企業のマーケティング活動の高度化に寄与することを目指しています。
調査概要
- - 実施エリア:日本全国
- - 対象者:15~74歳
- - サンプル数:3000サンプル
- - 調査手法:インターネット調査
- - 調査期間:2024年5月13日~5月22日
- - 実施団体:株式会社電通DENTSU DESIRE DESIGN
- - 調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト
このように、2024年版の「欲望未来指数」からは、日本の消費者が抱える心理的変化やその背景にある欲望が浮き彫りになってきています。これを踏まえて、今後のマーケティング活動の方向性を考える時期かもしれません。