東大発ジェリクルの新展開
2021-03-26 15:30:01
東大発のジェリクル、メディコスヒラタと止血材の共同開発を開始
東大発のバイオベンチャー、ジェリクルがメディコスヒラタと共同開発
東京大学を起源としたバイオベンチャー・ジェリクルが、医療機器の承認に豊富な経験を持つメディコスヒラタと結びつき、止血材の開発に向けた共同プロジェクトを開始しました。このプロジェクトでは、ジェリクルが開発したテトラゲルを用いて、安全かつ効果的な止血材の実用化を目指しています。
テトラゲルの特性とその可能性
ジェリクルが特に注力しているのは、東京大学工学部の酒井崇匡教授が長年研究してきたテトラゲル技術です。このゲルは、4分岐構造を持つポリエチレングリコール(PEG)を使って独特な網目を形成するもので、物性の独立した制御が可能という特長があります。テトラゲルの優れた特性により、さまざまなニーズに応じた医療用製品の開発が期待されています。
特に、今回の共同開発で注目される止血材は、完全合成材料で作られているため、感染症のリスクが極めて低いとされます。この革新的な止血材は現在止血が難しい場面でも効果を発揮し、医療現場における新たな選択肢となることが期待されています。ジェリクルでは、2025年中の薬事承認を目指し、開発を進めています。
メディコスヒラタの強みと役割
メディコスヒラタは、低侵襲医療機器を日本の医療現場に導入した先駆者であり、これまでにも多くの実績を持っています。その広範な国際ネットワークと経験を活かし、今回の契約を通じてジェリクルの技術を早期に実用化するための支援を行います。両社の連携により、患者のQOL(生活の質)向上を目的とした医療製品が世界に届けられることが期待されています。
両代表のコメント
ジェリクルの代表取締役、増井公祐は、メディコスヒラタとの共同開発契約を心から喜んでいます。「この契約は、私たちの革新的な技術を世に出すための大きな一歩であり、患者さんに早く届けられるよう努力していきたい」と意気込みを語っています。
一方、メディコスヒラタの代表取締役、平田全孝も今回のプロジェクトに対して非常に高い期待を寄せており、「この開発は、低侵襲医療を拡大するための重要な機会であり、患者様のQOLを向上させるために尽力します」とコメントしました。
未来に向けた共同研究の展望
今後、ジェリクルはテトラゲル技術を基に、幅広い医療機器の開発を続ける意向を示しており、多くの医療機関との協力を進めていく方針です。新しい止血材の実用化に向けた取り組みと共に、世界中の患者に貢献できる医療製品の提供に期待が寄せられています。
ジェリクルとメディコスヒラタの共同開発は、革新的な医療技術の実現に向けた重要なステップであり、今後の進展から目が離せません。
会社情報
- 会社名
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ジェリクル株式会社
- 住所
- 東京都文京区本郷3-38-10さかえビル2F
- 電話番号
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