アニコムが取り組むがん予防研究の新たな展開とは

アニコムの新たな挑戦

アニコムホールディングス株式会社（東京・新宿）は、2024年7月にがんを含む全ての疾病予防を目的とした共同研究を開始すると発表しました。この取り組みは、社会におけるがん罹患数の増加を受けてのもので、犬や猫におけるがん予防の重要性に迫ります。

がん発症のメカニズムを探る

がんは高齢化に伴い、その発症数を増加させています。私たちの体内では、日々がん細胞が生じていますが、免疫機構がその発生を抑えています。ところが、老化や免疫低下によってこの機能が衰えると、がんの発症リスクが高まります。このような背景から、アニコムはがん発症のメカニズムや予防方法の解明に挑んでいます。

「予防可能ながん」とは

同社の研究によれば、解明された原因に寄与したがん、特にピロリ菌のような外的要因によって引き起こされるがんは「予防可能ながん」とされ、治療策により発症率を下げることができるケースも存在します。胃がんや肝臓がんなどの事例がその一例です。

犬・猫のがん予防の可能性

興味深いことに、犬や猫でもがんの発症に関する研究は、まだまだ進展が不足しているとされています。例えば、口腔腫瘍は早期発見が可能なものの、犬や猫においては生涯を通じて高い罹患率を示しています。また、犬・猫に関する調査によると、リンパ腫が0歳から発生することも確認されています。これにより、犬や猫においても健康寿命を延ばすためにがん予防に焦点を当てる必要性が強く感じられるのです。

健康寿命延伸に向けた取り組み

アニコムは、ヒト及び犬・猫の健康を視野に入れ、学術界との連携を強化しながら共同研究を進めます。特に、免疫や病原体に関する理解を深め、がん含むさまざまな疾患の発症メカニズムを解明することで、予防に寄与したいと考えています。

歯周病関連菌とがんの関連性

今後の研究では、犬・猫の腸内に存在する歯周病関連菌の影響についても注目されています。これらの細菌は、免疫機能を低下させ、がんの発症と関連している可能性があるため、さらなる探求が求められます。一部の研究では、免疫反応を抑制することで、血中に他の病原菌を促進させるメカニズムが示唆されており、これが健康に与える影響を考えると重要な課題と言えます。