次世代物流を支える！「RockyOne」導入の背景と未来

物流革命の第一歩：AI荷降ろしロボット「RockyOne」導入の背景と意義

2025年2月、SGシステム株式会社、XYZ Robotics株式会社、およびサンワサプライ（上海）有限公司の三者は、日本市場への物流ロボット導入に関する協業を発表しました。この協業の第一弾として、AIを搭載した荷降ろしロボット「RockyOne」がサンワサプライの東日本物流センターに導入されました。これにより、物流作業の効率が劇的に向上することが期待されています。

「RockyOne」の特長と機能

「RockyOne」は、XYZ Roboticsによって開発されたMMR（Mobile Manipulation Robot）であり、自律的に動きながら様々なサイズのカートンを自動で荷降ろしすることができます。ロボットは以下の特徴を持ちます：

- 幅広い適応能力: 150mm〜800mmのカートンに対応（最大30kgまで）
- 高効率の荷降ろし: 最大300〜800PPHの処理能力を持つ
- 障害物回避機能: タブレット端末に警告や対応方法を表示し、迅速に復旧することが可能

荷物に積まれているカートンの配置が複雑でも、RockyOneはAMR（全方位移動架台）と産業用ロボットアーム、3Dカメラモジュールを駆使し、コンテナ内の荷物を効率よく取り扱える設計になっています。これにより、過酷な労働環境であるコンテナ内でも作業を安全に行えることが大きな特長です。

導入の背景と市場ニーズ

近年、物流業界では自動化ニーズが急激に高まっています。特にコンテナへの荷降ろし作業は、そもそもコンテナ内の荷物の配置が天井近くまで及ぶため、手作業による取り出しが困難です。また、重い荷物を運ぶことで生じる事故や労働環境の問題も大きな課題です。

そこで、SGシステムは、様々なサイズや重さの荷物を対象に自動化が可能かどうかを分析しました。自動化対象のコンテナを選定し、XYZ Roboticsはシミュレーションを通じて作業の安全性と効率性を確認しました。結果的に、混載時でもロボットによる自動化の向上が実現できました。

実証実験の成果と今後の展望

2024年10月から11月にかけて実施された実証実験では、特定のコンテナにおける作業者数をゼロにまで減少させ、重い荷物処理性能が人手の1.5倍に達しました。軽い荷物もマルチピッキングにより、人手と同等の性能を発揮しました。

今後、2025年4月からの本導入では、高速化や運用上の改善により、大型荷物の処理性能が320PPH、中型荷物が470PPHに向上します。これに伴い、実運用もすでに開始されており、より多くのコンテナに対応可能になる見込みです。

各社の役割と連携

SGシステムは、豊富な物流システムに関する経験を生かし、販売代理業務を担います。XYZ Roboticsは自社の技術力を活かして製造と保守を行い、サンワサプライ（上海）は国内外での高品質な製品の調達を担当します。これにより、SGホールディングスグループのネットワークを通じて、多くの物流現場にロボットを展開し、自動化・省人化を進める方針です。