企業理念を自分ごと化する新しい形
企業のミッションや理念の浸透は、現代の組織運営において非常に重要なテーマです。最近、フィラメントという企業が開発した「パーパス浸透ワークショップ」は、社長や経営陣との対話を通じて、企業理念を社員自身のものにする新しいアプローチを提供しています。このワークショップでは、経営陣の視点やパーパスを全社員に伝え、日々の行動に結びつけるための具体的な方法が整えられています。
「パーパス浸透ワークショップ」とは?
フィラメント社(本社:大阪府)の代表取締役CEO、角 勝氏がリードするこのプログラムは、社長や経営陣へのインタビューを軸に進められます。その内容は、NHKエンタープライズが制作する動画教材として全社員に提供され、理念についての理解を深める助けとなります。この対話型のアプローチにより、参加者は単なる受講者ではなく、自分ごととして企業の理念に関わることができます。
背景と目的
近年、企業がパーパスを明文化する動きが広がっています。調査によると、国内の上場企業の約70%が何らかの形でパーパスを明確に掲げていますが、現場では「きれいごと」として受け取られたり、自分の仕事との関連性を見出せなかったりすることが多いのが実情です。このワークショップは、そのギャップを埋めることを目的としています。
ワークショップの特長
この研修の大きな特徴は、プロのインタビュアーによる社長と経営陣のインタビューに基づいたコンテンツを使用することです。フィラメント社は、企業改革の支援と組織文化の言語化を専門としており、これまでの知見を活かしてプログラムを設計しました。さらに、NEPはドキュメンタリー制作で培った技術を活用し、社長や経営陣のパーパスに込められた真意や背景を取り入れた動画教材を作成します。
具体的な進行手順
ステップ1: ヒアリングと設計(約1ヶ月)
初めに人事や現場責任者とのヒアリングを行い、パーパスの位置づけや組織の課題を把握します。これにより、ワークショップの趣旨やテーマを貴社仕様に合わせてカスタマイズします。
ステップ2: インタビュー収録(1~2日)
動画制作チームが社長や経営陣にインタビューし、彼らの考えやパーパスを深堀りします。表情や語りのトーンも含めて記録し、真意が伝わるよう工夫します。
ステップ3: 動画制作(約1ヶ月)
撮影した内容を基に、理解を助けるCGや映像を加えた動画教材を制作します。人事と密に連絡を取り合い、社内で使いやすい内容に仕上げます。
ステップ4: ワークショップ設計(約1ヶ月)
動画教材の配布と共に、対話型ワークショップの設計を行います。目的に応じたディスカッション形式を設定し、社員の理解を深める体験を作り上げます。
ステップ5: ワークショップ実施(1~2日)
最後に、参加者が動画を視聴し、気づきをシェアします。社長との対話を通じて、パーパスを自分ごととして捉え、行動につなげることが期待されます。
実施事例:商工中金
実際にこのプログラムを最初に導入したのは、株式会社商工組合中央金庫(商工中金)です。同社は「企業の未来を支える」というパーパスを掲げ、社員全員にその重要性を理解させるための積極的取り組みを行っています。このワークショップを受けた参加者は、自らの「マイパーパス」を書き換え、多様な視点で社長との対話を通じて理念を体感しました。
このように、「パーパス浸透ワークショップ」は、企業理念を浸透させるための新しい方法として注目されています。フィラメントは今後も、このプログラムを通じて企業改革を後押ししていく考えです。お問い合わせはフィラメントまでどうぞ。