大企業とスタートアップが共創する新たな挑戦
ビジネス界において、スタートアップと大企業の共創は大きな期待を寄せられています。しかし、成功に至る道のりは容易ではありません。この度、2025年11月10日に開催されたイベント「大企業 × スタートアップ|なぜ共創は成功しないのか!?」では、その現状や課題について熱い議論が交わされました。
合同会社経営のための創造社の代表である二村康太氏がゲスト登壇し、共創の重要性とその実現に向けたプロセスを語りました。共創とは、異なる立場の者が互いに競争から協力へと転換し、価値を創造するプロセス。しかし、その実現には多くの障壁が存在します。
共創の現状と課題
二村氏は、まず共創の背景にはスタートアップが持つ革新性と、大企業が抱えるリソースやブランド力があると指摘。また、企業文化の違いが共創の足かせになっていることも多く、企業の内部調整や意思決定が遅れる場面が多いと述べました。さらに、双方の理解不足やコミュニケーションの不足も成功を妨げる要因のひとつとされています。
同じく講師として参加した東洋製罐グループホールディングスの竹内友里氏は、実際の事例を通じて、成功するプロジェクトには双方の透明性や信頼関係が欠かせないと強調。特に、短期間のプロジェクトよりも長期的に関係を築くことの重要性が挙げられました。
対話型ファシリテーションを用いた議論
このイベントのメインプログラムは、「ワールドカフェ」という対話形式を取り入れ、参加者間で活発に意見を交換しました。ラウンドごとに席を替えて行ったこの形式は、多様な視点を持つ人々が集まることで、より豊かな発見をもたらすことを狙ったものです。
1.
今挑戦していること・悩んでいること
参加者同士が自らの課題を共有し、共感し合うことで、一歩踏み込んだ議論が展開されました。
2.
できることは何か
各自の挑戦に対する解決策やアプローチを提案し合い、具体的なアクションプランを模索しました。
3.
共創の可能性
最終ラウンドでは、先の二つのテーマを結びつけて、新たな共創のアイデアを生み出すための創造的な対話が繰り広げられました。
こうした議論を通じて、参加者たちは互いに刺激を受け、さらなる共創へ向けた意識を高めていくことができました。
実質的な共創のために
形式的な協業にとどまらず、実質的な共創を生み出すためのヒントが多く挙げられた今回のイベント。スタートアップと大企業の双方が持つ特性を生かし、共通の目的に向かって協働することが必須です。今後もこのような対話の場が増えることで、より実効性のある共創が進むことを期待したいと思います。
これからのビジネス環境において、革新を追求する姿勢を両者が育て合うことで、さらなる価値創造に繋がっていくことでしょう。