旭化成と豊田通商、リチウムイオン電池供給体制を強化する契約を締結

旭化成株式会社と豊田通商株式会社が、リチウムイオン電池（LIB）用セパレータ「ハイポア™」の供給に関する契約を結びました。連結子会社のAsahi Kasei Battery Separator America, LLC（AKBSA）とToyota Tsusho America, Inc.（TAI）との連携により、車載用LIBの需要に応えるための重要なステップが踏まれました。この契約は、生産供給能力を確保し、安定的な供給を実現するためのもので、特に米国市場での展開を見込んでいます。

この契約のもと、AKBSAは2027年中ごろから、ノースカロライナ州のシャーロット工場で新たに設置されるセパレータ塗工設備からTAI向けに「ハイポア™」を提供する予定です。この供給体制の確立により、旭化成は市場変動のリスクを軽減しつつ、リソースの効率的な活用を図っています。また、豊田通商は、シャーロット工場で製造されたセパレータを北米の車載用LIBメーカーに供給し、信頼性の高いサプライチェーンを構築することを目指しています。

両社の強みを掛け合わせることで、高品質なセパレータをLIB向け材料市場に展開し、結果として高性能な電動車の普及を後押しすることが期待されています。旭化成の上席執行役員・谷口龍氏は、この提携を通じて北米における電動化のサプライチェーンを強化し、中長期的な成長機会を捉える意思を表明しました。「ハイポア™」の安定供給が、LIB用セパレータ分野におけるリーディングポジションの確立につながり、カーボンニュートラル社会の実現に寄与することを期待しています。

また、豊田通商のサーキュラーエコノミー本部COO・浦田和幸氏も、持続可能なモビリティ社会の実現へ向けた重要な一歩と位置付け、信頼性のある車載用LIBサプライチェーンを構築する取り組みを強調しました。

このように、旭化成と豊田通商の提携は、電動化が進む市場での競争力を高めるために不可欠なパートナーシップであり、今後の展開に大いに期待が寄せられています。また、両社のイノベーションが他の業界にも波及効果をもたらし、持続可能な社会の実現に向けた取組に貢献していくことは間違いありません。

今後、リチウムイオン電池業界はさらなる広がりを見せるとともに、社会全体でのカーボンニュートラルの実現に向けて、ますます重要な役割を担うことになるでしょう。

公式リンク：ハイポア™

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