訪問看護ステーションくるみが新たな取り組みを開始
大阪府大阪市に本社を置く株式会社Make Careが運営する精神科特化型「訪問看護ステーションくるみ」は、重症心身障害児および医療的ケア児を対象とした訪問看護を新たにスタートしました。これにより、医療的ケアが必要な子どもたちとその家族への支援がさらに充実することが期待されています。
増加する医療的ケア児の現状
日本において、医療的ケア児の数は増加傾向にあり、厚生労働省の調査によれば現在約6万人がいるとされています。特に、ここ10年で重度の障害を伴わない医療的ケア児は約2倍に増加しました。これは、生まれつきの遺伝子疾患や出生後の合併症、事故による障害などが影響していることが考えられます。
社会の受け入れ体制はまだ十分でないため、家族の介護負担が増大しています。医療的ケア児が安心して成長できる環境を整えるためには、支援の拡充が不可欠です。
「レスパイトケア」の重要性
中でも注目を集めるのが、介護や育児をサポートする「レスパイトケア」です。特に在宅での支援が重要視されており、看護師が家庭を訪問しケアを行うことで、保護者が一時的に休息を取ることが可能になります。これにより、心身の疲れを軽減し、質の高いケアを長期間続けられるようになります。
中野誠子社長は、「医療的ケア児を育てるご家族にとって、支援は欠かせないものであり、特にレスパイトケアの重要性は高い」と述べています。家族の心身の健康を守るためにも、レスパイトケアの仕組みは非常に大切です。
看護師の育成と支援体制
「訪問看護ステーションくるみ」では、重症心身障害児の看護を行える専門の看護師が3人在籍していますが、専門的な医療ケアを担える人材の育成が課題です。訪問看護を通じて、医療的ケアに対応できる看護師を増やし、より多くの家庭に寄り添った支援を提供していく考えです。
さらに、訪問看護ステーションは地域の医療や福祉機関と連携し、医療的ケア児やその家族が安心して暮らせる環境を整えるための取り組みを行っていきます。
福利厚生と職場環境
また、訪問看護ステーションくるみでは、看護師の働きやすい環境創出のために10の福利厚生を取り入れています。具体的には、リスキリング支援や生理休暇制度、昼食代補助、マッサージ費用の補助などを実施し、従業員のウェルビーイングにコミットしています。このような取り組みが、職場の充実感を高め、より良いケアを提供するための基盤となります。
今後の展望
訪問看護という選択肢は、医療的ケア児の目前の課題解決に貢献する期待があります。株式会社Make Careは、今後も人生の一部になれる訪問看護を提供し続けることで、すべての人が自分らしく生きる社会の実現に寄与することを目指します。家族が支え合いながら、安心して生活できる環境の創造が期待されています。
このたびの新たな取り組みを通じて、訪問看護ステーションくるみは、看護師と医療的ケア児、その家族にとってのサポート体制をさらに強固なものにしていくことでしょう。