ボッシュ、仮想世界と現実世界の融合目指す:IoT戦略とe-モビリティの取り組み

ボッシュ、仮想世界と現実世界の融合を目指す:IoT戦略の全貌



126年の歴史を誇るロバート・ボッシュGmbHは、噴射システムから冷蔵庫、ハンマードリルまで、幅広い製品を製造してきた老舗企業です。しかし、同社は現状維持に甘んじることなく、インターネットのネットワーク化という世界的な潮流をいち早く捉え、抜本的なビジネスモデル変革に着手しています。

パラダイムシフトとIoTの波



フォルクマル・デナー取締役会メンバー(研究開発・先端エンジニアリング、技術調整、プロダクト・プランニング&テクノロジー担当)は、インターネットの進歩がもたらすパラダイムシフトを強調します。Web 2.0の登場から、演算能力やデータ伝送速度の飛躍的な向上、クラウドストレージ容量の増加まで、技術革新は加速し続けています。これにより、「モノのインターネット(IoT)」時代が到来し、ボッシュは単なるモノづくりから、モノとサービスをインターネットで繋ぐ新たなビジネスモデルへと進化を遂げようとしています。

シンガポールe-モビリティ:具体的な取り組み



その取り組みの象徴が、シンガポールで展開するe-モビリティプラットフォームです。Bosch Software Innovations GmbHが開発したソフトウェアプラットフォームを活用し、電気自動車ドライバーは利用可能な充電スポットの検索や、料金予約、多様な交通手段を組み合わせたルート計画などが可能になります。このオープンソースプラットフォームは柔軟な拡張性を持ち、多様なサービス提供を可能にしています。

多層的なビジネスモデル



ボッシュの取り組みは、e-モビリティにとどまりません。IoT化されたモノをインターネット接続することで、新たなビジネスモデルが複数階層で展開されます。

レベル1:モノ単体のIoT化

IP対応コンポーネントを搭載した製品単体で、インターネット接続による付加価値を提供。

レベル2:サブシステム(エコシステム)構築

シンガポールのe-モビリティプラットフォームのように、複数のIoT機器やサービスを統合したエコシステムを構築。ソフトウェアプラットフォームの開発、販売が新たな収益源となります。

レベル3:データ活用によるサービス創出

ユーザーから収集したデータを活用し、新たなサービスやアプリを開発。開発した製品をエンドユーザーに提供します。

アプリケーションビジネス:ハイリスク・ハイリターン



ボッシュは、IoT市場の成長を見据えながら、アプリケーションビジネスにおけるリスクも認識しています。iPhoneアプリのようなアプリケーションは市場の変動が激しいため、迅速な対応と綿密な市場調査が不可欠です。しかし、カーマルチメディア事業部やBosch Thermotechnologyによるアプリ開発実績は、その高い開発力を示しています。

未来への展望



ボッシュは、IoT化によるビジネスモデル変革を進める上で、市場の急激な変化への対応、技術的課題への対応、そして顧客・従業員への価値提供を最優先事項としています。この戦略によって、ボッシュは126年の歴史を超える新たな成長を遂げようとしています。

フォルクマル・デナー氏について



フォルクマル・デナー氏は、ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーで、研究開発、先端エンジニアリング、技術調整、プロダクト・プランニング&テクノロジーを担当しています。

会社情報

会社名
ボッシュ株式会社
住所
東京都渋谷区渋谷3丁目6番7号
電話番号
0800-888-4000

関連リンク

サードペディア百科事典: ボッシュ IoT e-モビリティ

Wiki3: ボッシュ IoT e-モビリティ

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。