Hacobuが提供する「MOVO X-Data」
株式会社Hacobuが新たに発表した「MOVO X-Data」は共同輸配送を支援するサービスです。このサービスは、運行データを基に非効率な輸送を特定し、それに対する改善策を提案。企業間のデータ連携を可能にし、物流コストの削減を目指します。特に、三菱食品とのパートナーシップによって進める実証実験では、全国で展開する3000台のトラックを利用した共同輸配送を実施。この取り組みで、車両を減らすと同時にCO2排出量の削減も期待されています。
物流の課題とMOVO X-Dataの背景
日本の物流は現在、トラックドライバーの時間外労働に関する規制や輸送力不足といった深刻な問題に直面しており、これが「物流の2024年問題」としても知られています。また、物流関連の改正法には、荷主企業や物流事業者に対して積載率の向上を求める規定があるため、運送業者にとっては効率的な配車が欠かせません。これらの課題に対処するため、共同輸配送が支持されています。この手法は複数の企業がトラックやコンテナを共有し、配送をまとめて行うことで生産性の向上と労働力不足の緩和、さらには環境負荷の軽減を狙います。
従来の共同輸配送は、アナログな配車担当者へのヒアリングや固定的なデータ分析が主流で、季節変動などに柔軟に対応できない状況でした。しかし、MOVO X-Dataは蓄積されたデータを活用し、迅速かつ効果的な検証を実現します。これは、効率的な共同輸配送の促進に寄与します。
MOVO X-Dataのユニークな特徴
「MOVO X-Data」は、配送効率化を重視した共同配送支援サービスです。その主な特徴は以下の通りです。
1.
迅速な導入と運用:Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」に蓄積されたデータを利用し、企業間での効果的な検証が可能です。すでにMOVO Fleetを導入している企業は、自己のデータをそのまま利用できるため、すぐに導入・運用できます。
2.
課題の明確な提案:空車運行や長時間労働を自動的に特定し、具体的な改善提案を行います。例えば、短い運行同士の組み合わせや返却便の活用といった複数の改善パターンがあります。
3.
簡単に使える:利用者は提示された条件に従って進めることで、容易に改善策を確認できます。
三菱食品との連携プロジェクト
Hacobuは、三菱食品との協働を通じて、運行データの効果的な利用を進めています。三菱食品は、全国のトラックパートナーに対し、段階的にMOVO Fleetを導入する計画で、2024年度中には3000台に達する見込みです。2024年2月にはMOVO X-Dataのプロトタイプを活用した実証実験が始まります。この実験により、大量の運行データからの配送コースの再構築が可能になります。
今後の展望
HacobuはMOVO X-Dataを通じて企業間の連携を促進し、物流危機の回避と効率化の実現を目指します。今後、MOVOシリーズや外部サービスのデータ活用、さらには多様なニーズに対応した分析精度の向上を行い、より多くの企業に利用されるサービスの構築を目指します。代表取締役の佐々木太郎氏は、この新たなサービスが物流業界の効率化と持続可能性の確保に貢献することを期待しています。
Hacobuについて
Hacobuは2015年に設立され、クラウドベースの物流管理ソリューションや物流の最適化を支援するコンサルティングを展開しています。シェアNo.1のトラック予約サービスや動態管理サービス、配車管理サービスも提供しており、現代の物流業界における重要な役割を果たしています。