リンクメッドが資金調達
2025-04-09 09:24:52

がん治療の新時代を切り拓くリンクメッド、20.5億円を調達

リンクメッドが実施したシリーズBでの資金調達



リンクメッド株式会社(以下、リンクメッド)は、革新的ながん治療の実現に向けて、シリーズBのセカンド・サードクローズにおいて合計で20.5億円を調達しました。この資金調達により、リンクメッドの総計調達額は約47億円に達し、がん治療の新たな可能性が開かれます。

資金調達の背景



リンクメッドは、放射性医薬品の開発に取り組んでおり、特に『放射性同位体64Cu(銅-64)』を用いることで、がん細胞のDNAを高いエネルギーで効果的に攻撃する治療薬を開発しています。この新しいアプローチは、従来の放射線治療や化学療法に比べ、正常細胞に対する副作用を低減しつつ、高い治療効果を得ることが可能です。さらに、陽電子を放出するため、PET診断での薬剤集積の確認もでき、治療の精度が向上します。

シリーズBファイナンスの詳細



シリーズBには、新たに慶應イノベーション・イニシアティブやロッテホールディングス、三井住友信託銀行など複数の投資家が参画し、既存の株主も含めて多様な支援が集まっています。この支援により、リンクメッドはがん治療薬の更なる研究開発を進めることが可能となります。

開発の進捗



マイルストーンとして、リンクメッドの開発した64Cu -ATSM(LM001)は、再発・難治性の悪性神経膠腫を対象とした第Ⅲ相医師主導治験が2024年6月より開始されます。これにより、悪性神経膠腫の患者さんに新たな治療の選択肢を提供することが期待されています。また、千葉市内にある自社工場では、64Cuの量産体制構築を進めており、これにより国内での製造が安定する見通しです。

資金使途の具体的内容



今回の調達で得た資金は、主に下記の用途で使用されます。
1. 研究開発費: 現在進行中の臨床試験の推進や新規パイプラインの創出
2. 工場運営費用: 64Cuの製造体制の確立に向けた工場の立ち上げや運営
3. 人材の採用・組織機能の強化: 研究開発関連や工場運営、事業開発や管理機能の強化

投資家たちの期待



シリーズBの資金調達に参加した投資家は、リンクメッドの未来に高い期待を寄せています。JICベンチャーキャピタリストの林隼氏は、「リンクメッドが進める放射性同位体による革新的医療は、日本の健康長寿の実現に寄与すると考える」とコメントしています。また、DBJキャピタルの安田順信氏は、「64Cuを用いた創薬プラットフォームが世界初となるがん治療薬の実現に向けた挑戦に期待している」と述べています。さらには、ペプチドリームからも、同社の取り組みに大きな期待が寄せられており、共同開発の進捗を喜ぶ声も聞かれます。

リンクメッドの未来



リンクメッド株式会社は、「Link for Life-最先端科学と医療をつなぐ-」というミッションを掲げ、がん治療における革新を目指しています。64Cuを用いた医薬品開発を進める中で、患者に安全で効果的ながん治療を提供することが、同社の責務といえるでしょう。今後、より多くの患者さんに新たな治療の選択肢を提供するため、資金を通じた研究開発はもちろん、工場の運営や人材の確保に努めていくことが必要です。リンクメッドの挑戦は、がん治療の新しい時代を開くことに期待されています。


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会社情報

会社名
リンクメッド株式会社
住所
千葉県千葉市稲毛区小仲台2丁目6-1京成稲毛ビル2階
電話番号
050-3196-1417

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