アドビの新AIエージェントで顧客体験向上
2025年3月19日、アドビはサンノゼで開催されたAdobe Summitにおいて、顧客体験およびマーケティングのワークフローに革命をもたらす新たなAIエージェント群「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」を発表しました。この新しいプラットフォームは、業種に応じたさまざまなAIエージェントを構築、管理、連携できる機能を備えています。
個別ニーズに応えるAIエージェント群
アドビが提供するこのプラットフォームには、マーケティングおよびクリエイティブチームのニーズに基づいた10種類のAIエージェントが用意されており、これによって企業はより精密なパーソナライズ体験を顧客に提供できるようになります。例えば、Account Qualification AgentはB2Bプロセスを強化し、Salesチームが新たな営業機会を見逃さないようサポートします。また、Content Production Agentは、ブランドガイドラインに従ったコンテンツ生成を行い、マーケターの生産性を高めます。
これらのエージェントは、顧客データやコンテンツへの理解を兼ね備えており、動的かつ適応的な推論と意思決定を行うための言語モデルも統合されています。その結果、企業は迅速に効果的なマーケティング戦略を展開し、素晴らしい顧客体験を創出することが可能になります。
Brand Conciergeと新たな顧客体験
さらに、アドビは初のブランドセントリックAIエージェント「Brand Concierge」を発表しました。このエージェントは、チャットボットやウェブエージェントを進化させたもので、個々の顧客特性に基づいてパーソナライズされた体験を提供します。特に、実店舗やオンラインの両方で、企業が顧客を導くためのツールとして大きな役割を果たすことが期待されています。
2025年2月のAdobe Analyticsの調査によれば、AIを搭載したチャットサービスを採用した米国小売サイトへのトラフィックは1200%増加し、旅行サイトでも1700%増加していることが示されています。これにより、より多くの企業が顧客と直接対話する中で、AIエージェントの重要性が増しています。
戦略的パートナーシップで実現するシームレスな体験
アドビは、Acxiom、Amazon Web Services、Genesys、IBM、Microsoftなどのテクノロジーパートナーとの連携を強化し、AIエージェント間での相互運用性を高めることにも注力しています。この戦略的パートナーシップによって、顧客サービスやデータ管理の分野で、よりシームレスなユースケースを実現し、マーケターが高品質な顧客体験を提供するための環境を整えています。
アドビのシニアバイスプレジデント、アンジュル・バンブリ氏は次のように述べています。「アドビの新しいAIエージェントは、単なるツールではなく、マーケティング業務の中心として働くよう設計されています。これにより、企業全体でのデータ活用が進み、より良い顧客体験の提供につながるでしょう。」
まとめ
Adobe Experience Platform Agent OrchestratorとBrand Conciergeは、企業が顧客とのエンゲージメントを強化するための強力な手段となります。AIエージェントの進化により、マーケティングと顧客体験の未来が大いに変わりつつあり、企業が持続可能な成長を実現するための道筋が示されています。これからの時代、顧客とのインタラクションを深める力を持つAI技術に注目が集まることでしょう。