日本とスリランカ、エコマークの相互認証協定締結
2023年10月、日本環境協会(東京都千代田区)が運営するエコマークと、スリランカのNational Cleaner Production Centre(以下、NCPCスリランカ)との間で正式に相互認証の協定が締結されました。この協定は、インドのニューデリーで開催された世界エコラベリング・ネットワーク(GEN)の年次総会において、両者の代表が合意に至ったものです。
相互認証協定とは
相互認証協定(Mutual Recognition Agreement: MRA)は、二国間または多国間で、環境ラベルの認証を簡素化し、互いの市場での流通を促す仕組みです。この協定は、各国が持つ環境ラベルの審査を自国の機関で行うことを可能にし、国際的な基準の統一を目指すものです。これにより、企業は開発や製造コストの削減、環境ラベルの申請コストの低減、さらには海外市場へのスムーズな参入が期待できます。また、認証された商品が国を超えて流通することで、地球全体の環境負荷を軽減することも狙いです。
締結に向けた背景
日本のエコマーク制度は、1989年から続くタイプ1環境ラベル制度であり、ISO14024に準拠しています。この制度では、ライフサイクル全体を考慮し、環境に優しい商品やサービスの認定を行っています。2024年11月1日時点で、74の商品カテゴリに対する認定基準が制定され、53,039品目が認証を受けています。
一方、NCPCスリランカも2021年に団体設立され、ISO14024に基づいたタイプ1環境ラベルを提供しています。彼らは現在7つの商品カテゴリに対し認定基準を設定しており、約160の商品が認証を受けています。さらに、スリランカ政府は最近、「国家グリーン調達ポリシー」を閣議決定し、環境ラベル認定製品の利用を促進しています。
期待される効果と今後の計画
今後、この相互認証協定に基づき、特に複写機やプリンタなどの分野に関する共通基準項目の合意が進められる予定です。この協議は、本年度中に行われる見込みです。
相互認証協定の締結により、エコマークやNCPCの環境ラベルが互換性を持つことで、より多くの企業がエコマークを取得し、国際市場での競争力を高めることが期待されます。これが実現すれば、環境保全に向けた取り組みがさらに強化され、持続可能な社会の実現に貢献するものでしょう。
まとめ
日本におけるエコマークとスリランカのNCPCによる相互認証協定は、国際的な環境ラベルの普及に向けた重要な一歩です。両者の連携により、環境負荷を低減しつつ、企業の成長を支える新たなビジネスチャンスが生まれることでしょう。エコマークとNCPCスリランカの今後の取り組みには、大いに期待が寄せられます。