群馬県中村製袋株式会社と福井県ミヤゲンのM&A成功の舞台裏

群馬県中村製袋と福井県ミヤゲンのM&A成功の舞台裏

群馬県に本社を置く中村製袋株式会社が、福井県を拠点にする株式会社ミヤゲンとのM&Aを進め、スムーズに譲渡が完了した。この譲渡は両社にとって新しいスタートを意味し、特に中村製袋においては高齢化や人材確保の問題が影響した。

中村製袋株式会社の概要

中村製袋株式会社は、昭和43年からポリエチレン袋を専門に製造しており、一般平袋やガゼット袋、さらにはカスタムメイドのゴミ袋まで取り扱っている。特に、フィルム製造から加工まで一貫して行うことで、効率的に製品を提供し、業界内で高い評価を得てきた。とはいえ、ここ最近の人手不足や経営者の高齢化が進む中、将来の展望に不安を抱いていた。

そのため、同社は従業員や取引先に迷惑をかけないためにも、M&Aの選択肢を視野に入れるようになった。譲渡の条件として重要視したのは、従業員と取引先の待遇が現状よりも向上すること。これが、ミヤゲンとの提携を決定する大きな要素となった。

株式会社ミヤゲンの強み

一方で、譲受企業である株式会社ミヤゲンは創業70年以上の経験を有し、レジ袋やゴミ袋を中心に、OPPフィルム袋など多様な製品を製造している。中国やベトナムにも生産拠点を有する同社は、国際的なニーズにも応えられる力を持つ。

ミヤゲンは2011年頃からM&Aを検討しており、自社が成長できる相手を求めていた。中村製袋の中村社長との対話を通じて、将来を見据えたビジョンが一致したことが、最終的な決断へと繋がった。既存の取引先からの反対もなかったことが、この提携を後押しした。

M&Aの実現と今後の展望

両社の合意が成立した後、中村製袋は財務戦略的な観点から子会社の形を取ることになった。ただし、長期的にはグループ会社としての独立採算型の事業運営を見込んでおり、生産性や収益性を向上させることが目標とされている。

このM&Aを通じて、両社は互いの強みを生かし、より良い製品の提供を目指している。特に中村製袋としては、従業員と取引先に優しい企業体制を維持しつつ、新たな成長を遂げることで、地域経済にも貢献していく意向を表明している。