中小企業のオーナー経営者が抱えるM&A支援への疑念
近年、事業承継やM&Aを考える中小企業のオーナー経営者が増加していますが、その裏には多くの不安や疑念が存在しています。オーナーズ株式会社の調査によると、76.9%のオーナー経営者がM&A支援会社を「信用しにくい」と感じていることが明らかになりました。この結果は、M&A支援の実態と、経営者が求める信頼性についての理解を深める必要性を示しています。
1. 信頼形成の難しさ
調査において、多くの経営者は支援会社に対し警戒感を抱いており、その理由として「提案の根拠が弱い」といった意見が50%を超えています。オーナー経営者は、提案が自社に本当に適しているのか、実績をどう判断するかの明確な基準がないため、結果として信頼感が損なわれていると言えるでしょう。
2. 信頼できる初回接点
信頼構築が重要であることは言うまでもありませんが、初回接点の信頼性においては、士業や金融機関からの紹介が高い評価を得ています。具体的には、士業からの紹介が78.9%、取引金融機関からの紹介が71.1%と、高い数値が示されています。一方、M&A支援会社からのDMや営業電話は満足度が低く、過半数の経営者が「信頼しにくい」と感じています。このギャップは、提案内容の具体性や透明性が欠如していることが一因と考えられます。
3. M&A支援への心理的ハードル
支援会社に相談する際の心理的な障壁として拭えないのが「しつこく営業されそう」という懸念です。これが、51.0%の経営者によって挙げられており、営業活動に対する警戒心が根強いことが伺えます。特に初期段階の段階で、急進展することへの不安や、情報が外部へ漏れることに対する恐れが強まっています。
4. 相談先選びの難しさ
多くの経営者が相談先を選ぶ際に感じる難しさは、料金体系や提案の根拠、またFA(ファイナンシャルアドバイザー)と仲介の違いなど、多岐にわたります。一部の経営者は、相談先を選ぶための情報が十分でないために、本来なら進むべき道を選べずに迷っているのです。料金体系の違いが34.6%と最も多くの回答を得ており、特に比較段階に入った経営者にとって関心度が高いことが明らかになりました。
5. 自社向け提案の具体性がカギ
経営者がM&A支援会社を選ぶ基準としては、知名度よりも「自社向け提案の具体性」が重視されています。この調査結果を受けて、M&A支援会社は、ただの仲介業者ではなく、クライアントのニーズに応えたコンサルタントとしての役割が求められていると言えるでしょう。具体的な提案ができるかどうかが、信頼を勝ち取るためのカギとなるのです。
6. 結論
今回の調査からは、中小企業のオーナー経営者がM&A支援会社に求めるもの、つまりは特定の状況に基づいた個別の提案や、その提案に対する論拠を重視していることが明らかとなっています。オーナーズ株式会社の作田隆吉氏は、「M&A支援会社には顧客の利益を追求し、自社に合った具体的な提案を提供することが求められている」と述べており、今後の業界改善に期待が寄せられています。
※本調査に関する情報はオーナーズ株式会社のサイトにてご確認いただけます。
オーナーズ株式会社