人気鳥類学者が贈る動物行動学の新刊
最近、動物行動学という学問が注目を集めています。このたび、東京大学の准教授である松原始氏が新たに著書『君たちはなぜ、そんなことしてるのか?』を発表しました。本書は、動物の興味深い行動や生態に焦点を当て、その背後にある科学的な根拠をユーモアを交えながら解説しています。
本書の魅力
本書の特徴は、動物の行動を通じて科学的な視点を提供し、同時に読者を楽しませるところです。大阪大学名誉教授・仲野徹氏が推薦するように、「むっちゃおもろい先生によるおもろい学問への誘い」と言われるその内容は、多角的に動物たちを観察し理解する手助けをしてくれます。
動物行動学とは何か?
動物行動学は、動物の行動を科学的に研究する分野です。本書では、さまざまな動物たちの行動を分析し、例えば「なぜキリンの首はあんなに長いのか?」や「カメレオンのオスが顔模型に威嚇する理由」など、興味を引くトピックが取り上げられています。また、誕生日がわからない動物や、死すら訪れない生物についても探求が進められています。
各章の内容
本書は全12章で構成されており、それぞれの章が異なる視点から動物行動学を掘り下げていきます。
1.
人間は、説明したがる生き物である
まずは、人間の説明欲求からスタートします。なぜ人間は、周りの世界を説明したがるのか。
2.
科学とは何なのか
科学についての基本的な理解を深めます。
3.
原始、人は観察者であった
初期の人類が動物をどう観察していたのかに焦点を当てます。
4.
動物行動学という学問
この学問がどのように発展してきたかを探ります。
5.
動物行動学の始祖たち
歴代の科学者たちの貢献について紹介します。
6.
行動学の三博士
重要な学者たちをピックアップし、その業績を考察します。
7.
生き残ることを諦めない
繁殖の戦略に着目。
8.
食うほうも食われるほうも大変だ
捕食の戦略について探ります。
9.
動くヤツらと動かないヤツら
移動の戦略を解説します。
10.
科学の作法をすこし
科学を学ぶための基本的な考え方。
11.
はみ出しものたちの生物学
異端な立場の動物たちを取り上げます。
12.
客観性とか再現性とかいうもの
科学における重要な概念を理解します。
著者について
松原始氏は、1969年に奈良県で生まれ、東京大学総合研究博物館の特任准教授として活動しています。専門は動物行動学で、特にカラスの生態や行動に関する研究を行っています。著書も多く、動物たちについての深い知識を元にしたユニークな視点は、多くの読者に支持されています。
書誌情報
本書は2025年7月28日に発売予定で、定価は1980円(本体価格1800円)です。336ページのボリュームの中に、動物行動学の魅力が詰まっています。興味深い動物の行動を学びながら、一緒に観察者になってみましょう。
詳しくはこちらを参照してください。
結び
動物行動学は、単なる学問に留まらず、我々人間の生活や価値観に深く根ざしています。この学問を通じて、身近な生き物たちの行動を理解するだけでなく、彼らの生き様に触れることができる本書は、あらゆる読者に新たな視点を提供してくれるでしょう。ぜひ手に取って、その魅力を感じてみてください。