欧州投資銀行とSTマイクロエレクトロニクスが新たな半導体支援プログラムを発表
欧州投資銀行とSTマイクロエレクトロニクスの画期的合意
2023年、欧州投資銀行(EIB)とSTマイクロエレクトロニクス(NYSE: STM)は、ヨーロッパの半導体業界を強化するため、合計10億ユーロの融資契約を結びました。この契約はEIBが承認したクレジットラインの第一弾であり、初回のミッションとして5億ユーロが即座に投入されます。このプロジェクトの目的は、イタリアとフランスにおける自動車、産業機器、通信インフラなどの市場に向けて、半導体技術の革新を支援することにあります。
事業の背景と意義
STマイクロエレクトロニクスは、イタリア、フランス、マルタなどのヨーロッパ各国で事業を展開する半導体メーカーで、特に自動車やパーソナル電子機器市場に注力しています。1994年から、EIBはSTに対して9件ものプロジェクト支援を行い、総融資額は約42億ユーロに達しています。本プロジェクトは、ヨーロッパの競争力と戦略的自律性を強化する重要なステップです。
今回の合意により、約60%の資金がイタリアにおけるカターニャ工場とアグラテ工場、残りの40%がフランスのクロル工場を含む研究開発に向けられます。このように、両国の工場が強化されることで、特に今後の半導体技術の革新に寄与することが期待されています。
EIBの取り組み
EIBのバイスプレジデント、Gelsomina Vigliotti氏は「ヨーロッパが半導体イノベーションを主導することは、競争力のある経済を築くために欠かせません」と語っています。また、EIBは、脱炭素社会やデジタル化を推進するための戦略的産業の支援も行っており、今回の合意はその枠組みに沿ったものです。
STのビジョン
STのCEO、Jean-Marc Chery氏も「当社はヨーロッパの半導体エコシステムを強化し続けることに取り組んでおり、この EIBからの融資はそのための重要な手段です」と述べています。EIBとの連携は、グローバルな半導体市場におけるヨーロッパの技術的リーダーシップを維持するために不可欠であるとされています。
未来への影響
EIBのバイスプレジデント、Ambroise Fayolle氏によれば、現代経済の中心である半導体分野に関する取り組みは、電気自動車やデジタルインフラの拡充に直接寄与します。EIBは、STの研究開発に対する融資を通じて、ヨーロッパにおける重要技術の保護と新しい雇用の創出に貢献しているのです。
本合意は、EIBの代表団がSTのカターニャ工場を訪問した後に締結されました。独自のSiCバリューチェーンを持つこの工場は、EIB投資の主要な効果を享受することが期待されています。
EIBとSTの使命
EIBは、EU加盟国の手による長期融資機関であり、気候変動対策やデジタルイノベーションへの投資を重視しています。STマイクロエレクトロニクスは、持続可能な社会のための半導体ソリューションを開発するリーディングカンパニーとして、50,000名以上の従業員を抱え、数多くのパートナー企業と共に成長を目指しています。今後も、両者の協力関係がヨーロッパの半導体市場に大きな影響を与えることが期待されます。
会社情報
- 会社名
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STマイクロエレクトロニクス
- 住所
- 東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟
- 電話番号
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03-5783-8220