創薬スクリーニングを革新!次世代細胞解析装置CYTOQUBEの登場
浜松ホトニクスが開発した新しい細胞解析装置、CYTOQUBE®(サイトキューブ)ライトシートマイクロプレートサイトメータC15200-01RGBUは、創薬スクリーニングにおいて大きな革命をもたらす技術とされています。この装置は、独自に開発されたZyncscan®(ジンクスキャン)技術を駆使し、生理的に近い状態での細胞集団の3次元蛍光画像を高速に取得することに成功しました。
創薬スクリーニングの重要性と現状の課題
創薬研究では、実際の生体に近い形で新薬候補の効果や安全性を評価する必要があります。そのため、従来の2次元細胞モデルではなく、3次元細胞集団を用いることが増加しています。しかし、その評価には少なからぬ時間と資源が費やされることが課題とされてきました。
特に3次元蛍光顕微鏡を使用した手法は、時間がかかる上に、詳細な画像処理には専門的な知識も要求されるため、研究者にとって負担となっていました。これを受けて、浜松ホトニクスは新しい解析装置の開発に取り組みました。
CYTOQUBEの特長と利点
新たに登場したCYTOQUBEは、以下のような特長を持っています。
1.
高速かつ正確な画像取得と解析
従来、3次元蛍光画像の取得には数時間以上を要していましたが、CYTOQUBEは高速に3次元画像を取得可能で、解析との並列処理によって、最短で21分の時間を実現しました。
2.
シンプルな設定と使いやすさ
複雑な設定が必要だった従来技術に比べ、Zyncscan技術と直感的なユーザーインターフェースにより、操作が簡単になりました。研究者は、より迅速に実験に取り組むことができます。
3.
正確な蛍光画像取得
本装置は、背景からくる不要な蛍光をリアルタイムで除去できるため、細胞に特化した正確な解析が可能です。
未来の創薬研究を加速する
CYTOQUBEの登場により、創薬スクリーニングの効率が飛躍的に向上することが期待されています。がん治療薬をはじめとする新薬の候補を迅速に評価できることで、病気の治療に向けた研究が加速するでしょう。
この装置は、2023年9月10日から受注販売を開始し、9月19日から福岡国際会議場で開催される「第83回 日本癌学会学術総会」に出展予定です。国内外の製薬企業や研究機関による関心が高まっていることが伺えます。
浜松ホトニクスの新技術によるCYTOQUBEは、科学の最前線での革新を支え、創薬の未来を切り開く存在となることでしょう。