商船三井、令和6年度「先進的CCS事業」に参加
株式会社商船三井は、この度JOGMECから令和6年度の「先進的CCS事業に係る設計作業等」公募事業の一環として、九州西部沖CCS事業に関する調査業務を受託しました。この事業は、瀬戸内・九州地域にあるENEOS製油所やJパワーの火力発電所から排出される二酸化炭素(CO2)の分離・回収からその輸送、貯留に至るまでのバリューチェーンを一体的に支援するものです。
CCS事業の重要性
日本は2050年に向けたカーボンニュートラルを達成するため、「GX推進戦略」を策定し、その一環として2030年度までにCCSの事業を開始するための環境整備を進めています。特に、CO2の貯留技術は、温室効果ガスの排出削減に向けた重要な手段であり、今後のエネルギー政策においても重要な役割を期待されています。
九州西部沖CCS事業の概要
今回、商船三井が受託した調査業務は、船舶を利用した液化CO2の輸送に関連するものです。具体的な事業計画は以下のように構成されています。
- - 事業実施者: 西日本カーボン貯留調査株式会社、ENEOS、Jパワー、JX石油開発株式会社
- - 排出源: ENEOS製油所およびJパワー火力発電所
- - 輸送方式: 船舶およびパイプライン
- - 貯留候補地: 九州西部沖の海域帯水層
- - 貯留量: 年間約170万トンのCO2を貯留予定
この九州西部沖CCS事業は、国内初の大規模CCS案件として位置付けられています。商船三井は昨年度にもこの事業に関わっており、液化CO2が船舶に運ばれる際の航海計画の初期検討や、海上輸送コストの試算を行いました。
進展と展望
今年度も引き続き、商船三井は液化CO2の輸送における主要なリスクや課題を整理し、事業性調査を進める予定です。これにより、2030年度までには国内におけるCCSバリューチェーンの実装を開始することを目指しています。
また、この取り組みは商船三井グループの「BLUE ACTION 2035」戦略にも合致しており、海運業はもちろん、環境保全に向けた幅広い社会インフラ事業を展開する中で、変化する社会のニーズに積極的に応えていきます。
商船三井グループのビジョン
商船三井グループは、海運業を中心に様々な事業を展開しており、環境問題への取り組みも重視しています。私たちのビジョンは、人・社会・地球に貢献し、持続可能な未来の実現を目指すことです。その中で、液化CO2輸送事業は重要な一環を担っており、私たちはこれからもさらなる技術革新を追求していきます。
CCS技術は、将来的にクリーンエネルギーの供給を支える一方で、温室効果ガスの排出削減にも寄与する重要な要素です。商船三井の取り組みが、ますます多くの人々と環境に貢献できることを心より願っています。