SUSが静岡県掛川市に新たな工場を開設
FA(ファクトリーオートメーション)向けアルミプロファイルのリーダー、SUS株式会社が静岡県掛川市において新しい事業所を設立し、国内3カ所目となるマザー工場の稼働を始めました。この新工場は、国内生産回帰の成果として、5月9日(金)に竣工式が行われ、掛川市の久保田市長とともにその始まりを祝いました。
これまでSUSは、タイをモデル生産拠点として多くの製品を生産してきましたが、2014年からは一部の製造を日本国内へ移管する「国内生産回帰」を進めてきました。その背景には、東南アジア諸国の生産コストの上昇や為替リスクの増大があります。これにより、「品質の向上」を目指すSUSは、より早く、安定した製品供給をお客様に提供することを決意しました。すでに静岡第2事業所では主力製品であるダイカスト製品の国内生産移管を成功させています。
国内生産回帰の象徴となる新工場
新たに開設された掛川事業所は、約54,000㎡の広さを誇る工場で、タイから移管した機械加工品を主な生産対象とします。また、今後はSnets製品(制御・駆動機器等)の製造工程も集約される予定です。既存の福島事業所と静岡第2事業所との連携を通じて、生産の効率化と拡大を目指します。これにより、国際情勢の不安定さや為替変動に対する元々のリスクを軽減し、より安定した生産体制の構築が期待されています。
さらに、この掛川事業所では新たに15人の雇用が生まれることで、地域経済にも良い影響を及ぼすことが見込まれています。地域と調和の取れた環境を意識し、端材を利用した再生アルミのフェンスなど、景観への配慮もなされています。
生産力を高める自動化の取り組み
SUSは、国内の生産技術を向上させるために自動化・省人化を重視しています。新工場には最新の樹脂成形機が8台導入され、今後も新規設備の投資が計画されています。これにより、生産コストを削減しながらも高品質な製品を提供できる体制を整えています。
また、タイでの生産は今後も継続される予定で、特に少量多品種なアイテムについてはタイの生産拠点が優位性を持ち続けるため、国内生産とのすみ分けが行われます。
持続可能な未来に向けて
SUSの掛川事業所の開設は、単なる生産拠点の拡大だけでなく、製造業が抱える人手不足問題の解決にもつながるでしょう。少子高齢化社会の中で必要とされる労働力を補うためには、効率的で持続可能な生産体制を整えることが求められています。SUSは自社の生産現場で獲得した知識とノウハウを新たな製品開発に還元し続け、より革新的なアルミ製品やオートメーションのソリューションを提案していく考えです。
新たな挑戦を発展させるSUSの取り組みは、地域経済の活性化と同時に、日本全体の製造業のプライドや品位をさらに高めていくことが期待されています。これからのSUSの動向から目が離せません。