キャセイグループの2024年度決算概要
香港を本拠地とするキャセイグループ(CEO: ロナルド・ラム)は、2024年度の決算結果を公表しました。この年度(1月~12月)、同社は前年に比べて安定した業績を記録し、特に貨物需要の増加、乗客数の伸び、燃料費の低下、そしてコスト効率の改善が大きな要因となっています。
財務結果の詳細
2024年の純利益は99億香港ドルに達し、2023年の98億香港ドルを若干上回る結果となりました。特筆すべきは、キャセイの航空会社とその子会社が記録した88億香港ドルの純利益です。昨年の業績を参考にすると、除外項目を考慮した場合、2023年の92億香港ドルから微減していますが、これでもなお良好な成績です。
また、関連会社の成績についても触れると、2023年度に発生した16億香港ドルの損失から改善し、2024年には2億8800万香港ドルの利益を上げるに至りました。この業績向上の背景には、中国の民間航空市場の回復が影響しております。
会長のコメント
キャセイパシフィック航空の会長であるパトリック・ヒーリー氏は、決算発表に際して「2年連続で堅調な業績を達成したことは、我が社のチームの努力の成果である」と強調しました。彼は、1000億香港ドルの投資や100機の新たな航空機の導入、さらには新しい目的地へのネットワーク拡大を計画していると述べ、未来への展望を示しました。
貨物需要および旅客数の影響
キャセイカーゴは、2024年において非常に良好な業績を達成し、特に電子商取引需要がその成長を牽引しました。全体の貨物取扱量は前年から11%増加し、収益も約3%向上しています。一方で、旅客数は前年比で30%以上の成長を記録したものの、競争の激化により旅客収益が減少しました。キャセイパシフィックでは収益が12%減少し、香港エクスプレスでも同様の傾向が見られました。
燃料費とコストの変動
興味深いことに、キャセイは運航便数を増加させつつも燃料費を低下させました。燃料の平均搭載単価は前年比で9%以上の減少を記録し、また旅客数と貨物量の増加により、コストの分配が進んだ結果、1トンキロメートルあたりのコストは4.5%削減されました。
株主および社員への配慮
キャセイは、優先株の買い戻しや株主への配当、社員への報酬を通じて、通年業績から利益を還元しています。2024年には普通株主に対して1株あたり69セントの配当を行うことを発表しており、社会への貢献を重視しています。
今後の展望
キャセイグループは、香港を拠点とする航空会社として非常に重要な役割を果たしています。今後はさらに航空輸送と貨物輸送の能力を強化し、顧客体験の向上に努めるとともに、香港と世界をつなぐ国際航空ハブの一翼を担っていく考えです。顧客や社員、株主、そして香港政府への感謝の意を表しつつ、さらなる成長を目指していきます。
会社情報
キャセイパシフィック航空は、旅と日常が融合したプレミアムな体験を提供するブランドであり、70年以上の歴史を誇る香港のフラッグキャリアとして知られています。日本からも東京、名古屋、大阪、福岡、札幌の各都市から多くの便を運航し、国際的な接続を強化しています。