ソフトウェア違法コピー調査
2009-05-12 13:59:20
BSAが発表した2008年のソフトウェア違法コピー調査結果とは
BSAが発表した2008年のソフトウェア違法コピー調査結果
ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)は、2008年のコンピュータソフトウェアの違法コピーに関する調査結果を発表しました。この調査は、全世界および各国での違法コピー状況を把握するために実施されたもので、BSAによる委託のもとハイテク調査会社IDCが行いました。
日本の違法コピー率とその背景
調査によると、日本における2008年の違法コピー率は21%で、前年よりも2ポイント減少し、世界的には2番目に低い結果となりました。しかし、同年のソフトウェア損害額は約14.95億ドル(約1700億円)に達し、依然として高い水準を持つことが確認されました。特に、損害額は世界ワースト10位にランクインしています。
BSA日本担当事務局長の松尾早苗氏は、法制度の整備やコンプライアンス意識の向上が違法コピー率の低下につながっていると評価しつつも、損害額が高いままであることは看過できないと指摘しています。
世界的な違法コピー状況
全世界の調査では、110カ国を対象に行った結果、高違法コピー率国では急激なPC出荷の増加が影響しているとされており、結果として全体の違法コピー率は41%に上昇しました。特に、57カ国で違法コピー率が低下したにもかかわらず、多くの国で依然として高い水準にあることが懸念されています。
高違法コピー率国とその影響
第6回の調査では、グルジア、バングラディシュ、アルメニア、ジンバブエなどが高違法コピー率上位国として名を連ねており、対策が必要な状況です。この調査結果は、違法コピーによるソフトウェア業界の被害が依然として大きいことを示しています。
不正商品の撲滅に向けた取り組み
不正商品対策協議会(ACA)の事務局長後藤健郎氏は、この調査を通じて得られた情報がACAにとっても価値の高いものであると述べ、違法コピーや不正商品の流通の手口が年々巧妙化していることを考慮し、引き続きBSAと協力して対策を進める意向を表明しました。特に、知的財産保護の重要性が増す中で、無形の財産を守るための活動が今後も求められます。
通報制度と啓発活動
BSAでは、組織内の違法コピーに関する情報提供窓口を設けており、通報件数が年々増加しています。2003年に178件だった通報件数は、2008年には544件に達しました。これは、個人のコンプライアンス意識が高まり、ソフトウェア著作権に対する理解が進んでいることの表れと言えます。
しかし、実際には通報がまだ一部に留まっている現状もあり、BSAでは新たに情報サイト「違法告発.com」を開設しました。このサイトは、組織内違法コピーの実態を広く訴求することを目的としています。
BSAは、これからも違法コピーの状況を改善するためにさまざまな施策を進めつつ、消費者保護にも積極的に取り組んでいく方針です。今後の動向にも注目が集まります。
終わりに
この調査結果は、デジタル社会における法制度やコンプライアンスの重要性を再認識させます。業界における著作権の保護と適正なソフトウェア管理が求められる中、全ての企業や個人が意識を持って行動することが重要です。
会社情報
- 会社名
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BSA│The Software Alliance
- 住所
- 20 F Street, NW Suite 800, Washington, DC 20001 USA
- 電話番号
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